数年前のダイエットが薄毛の原因に!? 髪までやせさせない栄養補給のポイント

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無理なダイエットが原因で、髪までやせてしまう女性が急増中とか。「食生活のツケは、数年後にまわってきます」と忠告するのは、AACクリニック銀座院長の浜中聡子さん。将来薄毛にならないための栄養補給のポイントを聞いた。

「1本の髪の毛の寿命は2〜6年です。無茶な食生活を続けていると、すぐに影響はなくても、新たに生え変わる数年後に、髪が細くなったり、薄くなったりする可能性が高くなります」(同)

そのため、極端に食事量を減らしたり、短期間で急激に体重を落としたりするダイエットは避けて。その間、摂取したわずかな栄養は内臓に優先して送られ、頭皮まで届かないので、髪が栄養失調になりやすいとか。

「1か月間に落としていいとされる体重は、自分の体重の5%以内が目安です。例えば、体重が50?なら、月にマイナス2.5?までにとどめましょう」(同)

健康な髪を保つには、食事の内容も大事とか。髪の毛は99%がタンパク質であるため、良質なタンパク質が不可欠。肉や魚、卵、乳製品などの動物性タンパク質と、大豆やピーナッツなどの植物性タンパク質をバランスよく食べると、抜け毛対策にもなるそう。

「タンパク質の吸収を高めるビタミン類も大切。これを補うには、旬の野菜や果物を選ぶのが効果的です。今なら白菜やホウレンソウ、小松菜、ニラ、大根、ミカンなどがおすすめです」(同)

ちなみに「髪にいい」とよく言われる海藻には、鉄、銅、亜鉛などのミネラル類が含まれている。これらの栄養素には、血管から栄養を受け取って髪を作る毛母細胞(もうぼさいぼう)の細胞分裂をスムーズにし、髪質をよくする働きがあるそう。ただし、タンパク質の吸収を助けるものなので、単独で摂るよりもタンパク質と併せて摂るほうが効果的だとか。

「体の成長や修復を助ける成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、22時から翌2時にかけて。寝る直前に飲食をすると内臓が消化活動に入ってしまい、よい睡眠が得られません。そうすると成長ホルモンの分泌量が減って、髪が成長しにくくなってしまいます。寝る前のアルコールやカフェインも睡眠の質を下げて、結果として髪の成長を妨げることになるので控えましょう」(同)

髪の成長を促すには、寝る3時間前までに飲食をすませるのがポイント。髪が栄養不足にならないように、日ごろからタンパク質を中心にバランスのよい食事を心がけよう。

浜中聡子
医学博士。AACクリニック銀座(中央区銀座)院長。北里大学医学部卒業。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医、米国先端医療学会専門医。心身両面からのケアで「ウェルエイジング」を提唱。著書に『女性のための“頭髪外来”〜髪・からだ・こころに効くトータルセラピー』(扶桑社)などがある。