Doctors Me(ドクターズミー)- 【目からウロコのお悩み相談室 vol.8】家族編

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こんにちは、家族カウンセラーの宮本まき子です。先回は目下ブームの「孫育て」編、今回は家族編のお話です。

人づきあいその1)…嫁姑編 過剰な期待や幻想をせずにバランスをとろう。

アタクシが「自分も幸せになる姑道十カ条」(PHP)を書いたとき、実は息子は未婚。よって未姑はあちこちで「嫁姑問題」のホンネやセキララの聞き取りをしました。そして得た「姑訓戒」

1) 嫁と情報を共有し、無視や隠しごとをしない
2) 新嫁は職場の新人だと思え
3) 自分の人生のやり残しは同世代人とやるべし

本に書かなかったけどついでに「嫁訓戒」を作ってみますか。

1) 姑は最も身近な「隣のおばちゃん」、幻想や過剰な期待をしない
2) 嫁姑バトルではガマンは無用、黙っていれば負けるだけ
3) 血は水より濃いから、「姑の息子」への不満や悪口はNG


Q:姑は食品から衣服までポイポイと我が家によこす「くれ魔女」。でもねぇ、お金や宝石など、高価なものは絶対くれない。賞味期限切れのソーメン、ラーメンやハム、ソーセージ、20年もの(!)のビンテージ・カンヅメとか、古臭いスタイルの洋服やすりへった草履など、明らかにいらないものばかり。これって新手の「嫁いびり」でしょうか?

A:何をおっしゃるウサギさん。この程度なら「嫁いびり」の範疇ではありませんことよ。明治・大正生まれの姑らの「正しいいびり方」は「直球」でドンと真ん中めがけて入りますから、そりゃあ迫力ありました。「家風にあわない嫁は百年の不作」「男の子を産まない女腹は迷惑」「息子の出世の足でまといになるから出て行って」なんて、平気でおっしゃる。「うるせぇ、くそばばぁ」と戦後生まれがキレそうになるのを、実家の母親あたりが「出来の悪い娘で申し訳ありません」と頭を下げていたツライ時代。

いまは姑が嫁にゴマする時代ですから、本人はプレゼント攻勢のつもりかもしれませんね。この際、「アタシは断捨離センター」と割り切って、「捨てられない」姑に変わりポイポイとゴミ収集車やリサイクルショップへ放り込めばよろしい。「あれどうしました?」と尋ねられたら、「壊れました」「破れました」「寄付しました」とすまして答えましょう。「過去と他人は変わらない」のが心理学の原則。姑の癖は100年たっても変わりません。あなたの対応を変えるのみです。


Q:性格も価値観も正反対の嫁と結婚した息子。派手な披露宴、イタリア新婚旅行、超高層マンション購入と嫁主導で続き、3年目で収入が少ないから子どもはつくらないと宣言、5年目の今はあちらの実家べったりの暮らしをしています。息子は尻に敷かれたまま、完全に無視されている私ら夫婦は噴火寸前です。

A:成人した息子の生き方にあれこれ言わない、夫婦の好きなようにさせるべし。なんて正論で諭されて、「ほんに、そのとおりでした」と心を入れ替える姑なんてそうそういませんわよ。苦労して育て、成人の暁にはあれこれ夢見て期待していたことがすっぽりと「嫁」にかっさらわれた。

心中、「ドロボー」と叫びたいし「こんなはずじゃなかった」と焦る。→口に出せば「姑根性」になるから黙っている。→ますますコミュニケーションレスになる。息子家族の引っ越しを年賀状で知ったなどというケースもありました。

モメることを怖れてはいけません。じゃんじゃん嫁に「誕生日にご飯食べよう」「正月はこっちに来なさい」とイベントをしかけてアピールすべし。もっともあちらから押しかけてくるとしたら「息子夫婦が困ったとき、追い詰められたとき」ですから、お呼びが無いことはいいことかもしれません。いまのうちに羽根を伸ばして休憩していましょう。そのうち親の出番が増えて忙しくなりますよ。


Q:姑はひとり息子を溺愛して、結婚10年たった今でも毎月のように上京して手料理をこしらえ、お風呂で背中を流してやったりしています。2児の親のくせに、とたんに赤ちゃんがえりする夫にも腹が立って顔がひきつっちゃう。これさえなければ優しくて気が付いて、いい姑なんだけどな…。

A:「アタシの男に手を出すな」ズドン!でよろしいのよ。日本の結婚は生活システムが先行して、夫婦は相手の肌を独占できるという原則を忘れがち。

やるならまず夫を(可愛らしく)ズドン!「ソープランドを含めて、アタシ以外の女に裸体を触らせたくないの」

次に姑を(いじらしそうに泣き落としで)ズドン!「お母さんの方が上手なのは承知していますが、アタシだってがんばってます。少し離れて見守ってください」。

こういう狙い撃ちをしないで、陰でムニャムニャ言ってばかりだと人相が悪くなりますよ。一にスマイル二に笑顔、女は40歳になったら自分の顔に責任アリ。これしきでメゲていられません。


Q:我が家では息子の私立医大の費用に、夫と私の退職金とそれまでの預貯金の全てをつぎこみました。卒業後は月に20万円ずつで年に240万、20年で約5000万円(それでも不足!)返済する約束でしたが、結婚したら嫁が「断固拒否、子どもの教育は親の義務でしょ」。老後の貯えが無いと言っても、「うちも研修医で薄給。息子から搾り取るなんで信じられない」と取り付くしまもありません。

A:「人に金を貸す時は、返ってこないと思え」と言います。この「人」が息子でも同じこと。踏み倒されるのは覚悟しておくべきだったですね。嫁にしてみれば「結婚前の約束なんて知らなかった」わけで一理あります。ここは息子の良心に訴えて減額交渉をしてみたらいかがでしょう。医者見習いの収入はスズメの涙、まず「月3万円」でスタートして、稼ぐようになったら増額してもらい、何分の一かでも戻ればそこで妥協すべきです。似たようなケースで姑が嫁に息子の学資分の「持参金」を要求して決裂。離婚された息子は50歳でもまだ再婚できないと聞きました。「老後資金」にこだわりすぎて子どもの幸せを壊しては、元も子もありません。嫁も姑もそれぞれの立場で妥協点を見出しましょう。

まき子おばちゃまからの伝言

古くて新しきは嫁姑関係とか。いまどきだと姑に「嫁は娘と同じ」という感覚はないから、無理に家風に染まらせようとしません。嫁のほうも「姑は夫の親」であって、「おかあさま」と呼んでも「実家のママ」とは比べもつかない。届きそうで届かないこの距離感は、「いいことはすべて自分のおかげ。悪いことは全て嫁のせい」と、明治や大正生まれの大姑や姑の不満のはけ口にされた団塊世代の古嫁にはけっこう新鮮かもしれません。

それでもときに「嫁姑バトル」はおきます。そんなときは「黙っていれば負けるだけ」。チャンチャンバラバラになったとしても、何も言わないよりは情報が共有できるでしょう。「縁あって家族」になったのですから、モメるのを怖がらず近づいてやりあってみることです。

〜家族カウンセラー・エッセイスト・評論家:宮本 まき子〜