ストレスチェックが企業に義務化された! 心の健康のために内容を知って活用すべし

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2015年12月から「ストレスチェック義務化法」が施行された。この結果、企業は社員に対してストレスチェックを実施することが義務化される。

会社任せにするのではなく、自分を守るために、どんな法律なのか最低限のことは知っておきたい。

●2015年12月から始まった「心の健康診断」の義務化
2015年12月の時点で、企業の関心は「マイナンバー」に集まっているようだ。2016年1月から運用がはじまり、集めたマイナンバーの厳格な管理が求められるなど、企業側の対応も面倒だからだろう。

しかし、企業が守らなければならないもう1つの法律が、2015年12月からスタートしたのをご存じだろうか。それが、

ストレスチェック義務化法だ。

簡単にいうと、職場環境の改善や社員の健康のために、社員に「心の健康診断(ストレスチェック)」を実施しなさいという法律である。

この法律により、企業には次の義務が課せられる。
1.年に一回、従業員へのストレスチェックの実施(50名以上の事業所)
2.高ストレス状態かつ申出をした従業員への医師面談。面談後、医師の意見を聴いたうえでの就業上の措置
3.実施状況の労働基準監督署への報告


最近は「ブラック企業」や「ブラックバイト」など、劣悪な労働環境を問題視するニュースも多い。ストレスチェック義務化法も、こうした流れを受けて成立した法律だ。
具体的には、2014年6月に労働安全衛生法が改正され、その中でストレスチェック制度がつくられた。そして、その施行が2015年12月なのである。

なお、ストレスチェックが義務化されるのは、社員数が50名以上ではなく、50名以上の事業所となっている。50名未満の事業所の場合は努力義務となっている。

●会社に言われるからではなく、社員の側から積極的な活用を
実際のストレスチェックは、Webサイトのアンケート形式で実施されるケースが多いようだ。
「自分のペースで仕事ができているか?」
「最近1ヶ月の状態は?」
「気軽に話ができる相手は?」……
などの質問項目にWeb上で回答していく仕組みだ。

診断の結果、高ストレスと判定された場合は、医師の面談を受けることができる。また、診断結果にかかわらず、希望すれば医師との面談を受けることも可能だ。

筆者はIT業界関連の仕事をしているが、やはり、働く環境は厳しい。
出口の見えない長期にわたるシステム開発を指す「デスマーチ(死の行軍)」という言葉もあるくらいだ。こうした環境下で、心の健康を損なう人がいるのも事実だ。
他の業界でも、似たような状況はあるだろう。

とりあえず、働く側としては、企業側にストレスチェックが義務化されたことを、ぜひ覚えておきたい。そして、ストレスチェックや医師との面談を、自分を守る権利ととらえて、ぜひ積極的に活用したい。けっきょく、自分の心と身体を守るのは、自分自身なのである。


こころの耳(厚生労働省が運営するメンタルヘルス・ポータルサイト)


井上健語(フリーランスライター)