着飾らないありのままの姿を映した『寝起き女子』『寝起き男子』。そして、女性のヌードを被写体にした『脱いでみた。』シリーズなど、多彩な作品を世に送りだし、注目を浴びているフォトグラファーの花盛友里さん。1歳のお子さんのママとしての顔もあわせもつ花盛さんへのインタビュー前編では、これまで撮影された多数のモデルのなかでも印象的だった女性の特徴や、被写体の魅力の引き出し方、素人がうまく撮るためのコツなどをうかがいました。

『寝起き女子』

「寝起き女子」のワードが世間に定着したのを実感

――花盛さんの代表作とも言える『寝起き女子』を始めたキッカケは、なんだったのでしょう?

花盛友里さん(以下、花盛):寝起き女子は、私の家に泊まりにきた友達の寝起きを撮ったのが始まりでした。シャッター音で友達が目覚めて、「おはよう」と言って目をこすっているところを、さらにバシャバシャっと(笑)。でも、自分の家で撮るだけじゃつまらなくなって、相手のテリトリー(自宅)におじゃまして撮ってみたいなと思ったんです。そうやって撮りためた寝起き女子の写真を出版社に持ち込んで、「写真集にしてください」とお願いしたのが、写真集発売にいたったキッカケでした。

――モデルさんのセレクトは、どうされているんですか?

花盛:友達から始まり、友達の紹介をとおして広げていきました。あとは、インスタグラムとかTwitterで「撮ってほしい」とリクエストをくれた女性から、「寝起きがよさそうな子」を選ばせてもらったり。単純にキレイな子ではなく、朝の無防備な姿を見てみたいと思うかどうかを判断基準にしています。あと、ロングヘアーの寝癖は魅力的に見えるので、ロングの子が多いですね。

『寝起き女子』

――昨年12月に発売された写真集『寝起き女子』の反響は、いかがですか?

花盛:反響は、ものすごくありました。「Yahoo!ニュース」やファッション関係のウェブサイトなど、いくつものメディアに取り上げられたり、Twitterのホットトピックに載ったり。『寝起き女子』というワードを多くの方が、あたりまえのように使ってくれるようになったのを実感しています。 とくに美容師さんには浸透しているようで、「寝起き女子風」とタイトルをつけた写真をインスタグラムに掲載してくれたり。ときどき「全然ちゃうやん」っていうのもありますが(笑)。でも、ワードとして使ってくれるのは嬉しいですね。 男性からの反響がすごいと一部で言われていますが、私としては男性よりも女性からの反響を感じていて、女性に気に入ってもらえている気がします。

『寝起き男子』は、起きてくれなくて困ることも

『寝起き男子』

――最近では、男性バージョンの『寝起き男子』も展開していらっしゃいます。こちらは、なにがキッカケだったんですか?

花盛:寝起き男子については、お付き合いのある雑誌の編集担当さんが、「女子がすごくよかったので男子もやりたい」って言ってくれて。今は、インスタグラム限定で毎月第2・4週の月・水・金に配信しています。男子に関しては、女性のために撮っている作品なので、モデルは男前だけです。とても寝起きとは思えないカッコよさで、毎回ドキドキしながら撮影しています(笑)。ただ、朝お家に行ってピンポンを押しても、起きてくれなくて困ることも……(笑)。

『寝起き男子』

――ブログで掲載されたり、また2月に開催される個展のテーマにもなっている、女性が好むヌード『脱いでみた。』シリーズも好評だそうですが、どのような意識で撮られているのですか?

花盛:もともと、私は男性が撮るエロ全開のヌード写真が嫌いで、女性の目に魅力的に映るヌード写真が撮りたくて、『脱いでみた。』を始めました。だから、モデルさんを選ぶ基準は「エロすぎない子」。脱いだときにあまりにエロくなってしまう子やグラビアモデルのような雰囲気がある子は、最初から避けています。どうしてもエロさが出てしまいそうなときは、ヘアメイクを工夫したり。

『脱いでみた。』

そんな意識で撮りつづけていたら、女性の方から「ヌードを撮ってほしい」というリクエストを予想以上に多くいただいて。なかには、「下着の写真はやめておこうと思ってたけど、花盛さんなら撮ってほしい」と嬉しい声ももらいました。男性には「エロさが足りない」と言われますが(笑)。

素人が写真をキレイに撮るには

――これまで多くの写真を撮影されてきた花盛さんですが、印象的だった被写体はどんな方でしたか?

花盛:外見がすごくかわいくて、かつ心がキレイな子はステキで印象に残ります。寝起き女子は、朝から相手のテリトリーにおじゃましているわけなのに、お茶を出してくれたり。あと、撮影の前にモデルさんといろんな話をしてから撮るんですが、ポジティブな考え方の子も魅力的ですね。幸せになろうと努力するとか、人に好かれようとがんばるとか、グチを言わないとか。日々そういう意識を持って生きている人って、話をするとわかるじゃないですか。 内面って写真にも表れるし、表れるように撮りたいなと心がけています。そのために、相手との会話が大事なんです。あとは、初対面のモデルさんが多くて、みんな緊張して構えてしまうので、緊張を解きほぐして心を開いてもらうことも意識しています。

『脱いでみた。』

――素人でも自然体のキレイな写真を撮るコツを教えていただけますか?

花盛:まずは、とにかく何枚も撮ること。被写体にもよりますが、しゃべりながら撮ると自然な表情が出やすくなります。もし、被写体が一緒に暮らしている相手なら、歯磨きしているときもお風呂に入っているときも、ずっと撮るといいですよ。 記念写真は構えているときじゃなく、「撮るよ」と声をかける前に撮影したり、撮影を終えて「はい、終わり」って言った瞬間に撮影してみてください。記念写真は、「終わり」と言った瞬間が一番自然体でよかったりします。 光の当たり方とか技術を身につけたいなら、さまざまなシチュエーションで撮影を重ねることに尽きると思います。そうすると、「この位置ならこの色になるな」という感覚がわかってきます。

花盛友里さん

――どんなカメラを選んだらいいでしょうか?

花盛:それもよく聞かれるんですが、「デザインで選ぶといいよ」とアドバイスしています。画質はどんなカメラでもキレイなので、いつも手元に置いておきたくなるような、持ち歩きたくなるようなものを選ぶのがオススメ。そして、納得いくまで根気よく撮りつづけてみてください。きっとお気に入りの1枚に出会えるはずです。

>>後編に続く

■個展開催情報
日程:2016年2月16日〜21日
場所:ギャラリー●ルデコ(公式サイト
住所:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-16-3 ルデコビル
時間:午前11時〜午後7時/月曜休廊日
TEL:03‐5485‐5188
FAX:03‐5485‐5199
E-Mail:ledeco@ledeco.name

■関連リンク
公式サイト
『寝起き男子』

(小林香織)