▽チャンピオンシップの準決勝で浦和(1stステージ覇者 / 年間2位)との激闘を制したG大阪(年間3位)が、広島(2ndステージ覇者 / 年間1位)との決勝戦に挑む。決勝戦は、一発勝負の準決勝とは異なり、ホーム&アウェイ方式の2戦合計スコアで争われる。第1戦の勝敗が、第2戦の戦局に大きな影響を及ぼすことは間違いないだろう。

▽その第1戦の開催地は、G大阪の本拠地である万博記念競技場。今季における両者の対戦成績は1勝1敗の五分で、両チームともにアウェイの地で白星を手にしている。11月7日に万博で行われた明治安田生命J1リーグ2ndステージ第16節では、試合巧者ぶりを発揮した広島が2-0で勝利し、続く最終節で2ndステージ優勝を果たした。一方、G大阪にとっては、今季のホームゲーム(リーグ戦)で唯一の黒星を喫した広島相手に“リベンジ”を果たす絶好の機会と言えるだろう。

【チーム情報】★気がかりな回復具合(G大阪)▽120分間の激闘となった準決勝から中3日で迎える広島戦に向け、リカバリーメニューを中心としたトレーニングで回復に努めてきた。慢性的な右足痛のDF岩下以外の全選手が広島戦に臨めるが、浦和戦に出場した選手の回復具合は気がかりだ。

★水本が練習復帰(広島)▽11月7日に行われた直近のG大阪戦で左眼窩底(ひだりがんかてい)骨折を負って離脱していたDF水本が練習に復帰し、フルメニューを消化している。そのほかに目立った負傷者はいない。最後の公式戦から中9日と少し間隔が空き過ぎているが、同じ間隔で迎えた今季の6試合では5勝を記録。休み明けでも、森保監督のマネジメントに不安はない。

【予想スタメン】[4-2-3-1](c) CWS Brains、 LTD.▽浦和戦の先発メンバーから大幅な変更はなさそうだ。しかし、2列目の並びに関しては、浦和戦と同様に読みにくい。最大の注目点は、FW宇佐美がどの位置で起用されるのか。より攻撃的に行くのならば宇佐美、より手堅く行くのならばMF倉田がトップ下に入ることになるだろう。そのほかに変更点があるとすれば、右サイドバックの位置か。指揮官が守備を重視するのならばDFオ・ジェソク、攻撃力を求めるのならばDF米倉を起用するはずだ。[3-4-2-1](c) CWS Brains、 LTD.▽5-0で勝利した直近の湘南戦と同様のメンバーが並ぶ可能性が高い。仮に水本が先発に復帰すれば、約1カ月ぶりとなる実戦。不動の3バックのバックアッパーとしてチームに大きく貢献してきたDF佐々木の起用を、森保監督が躊躇うことはないだろう。

【注目選手】MF今野泰幸(G大阪)◆今季:31試合 / 3得点
▽今季出場したリーグ戦の31試合は、すべてボランチでの起用。高いボール奪取能力と堅実なカバーリングで、中盤の守備に安定感をもたらしている。攻守の切り替えが早く、長谷川監督仕込みの堅守速攻を体現する存在としても、チームに欠かせない存在だ。直近の広島戦のようにG大阪がボールを持つ時間が長くなることが予想されるだけに、カウンターのケアと、素早い切り替えでセカンドボールの回収率を高めることが重要となる。J屈指の危機察知能力に注目だ。

MFドウグラス(広島)◆今季:33試合/ 21得点
▽広島が優勝すれば、今季のJリーグ最優秀選手に近づく存在だ。浦和に移籍したMF石原の後釜として徳島から期限付き移籍で加入したドウグラスは、シャドーストライカーのポジションで覚醒した。昨シーズンまでの5シーズンでは、122試合29ゴールの成績。しかし、DFを背負う最前線でのプレーから解放されたブラジル人のレフティーは今季、33試合で21ゴールを記録している。連続得点中のリーグ戦3試合で計5ゴールを挙げるなど、コンディションは良好。直近のG大阪戦(0-2で広島が勝利)では直接FKでネットを揺らしており、確かな感覚をもって今回の大一番に臨む。

【見どころ】★パトリックが前線で起点になれるか(G大阪)▽第2戦を敵地で迎えるG大阪としては、このホームで先勝し、敵地に乗り込みたいところ。しかし、勝利を意識しすぎるあまり、売りとする堅実な采配を投げ打ってまで、長谷川監督が攻撃的な策を講じることはないだろう。組織的な守備から、FWパトリックを起点にした得意のカウンターに持ち込むことができれば、ホームでの先勝に近づくことができる。

▽見どころは、パトリックの前線での起点となる動き。今季途中まで息の合ったプレーでゴールを積み重ねてきた宇佐美の不調もあり、パトリックに求められる攻撃の役割は増えた。今回の一戦でも、パトリックが起点になれるかどうかで攻撃の幅や厚みが変わってくるはず。また、パトリックが前線で起点になることで、広島の配球役を担う青山のプレーエリアを下げさせる効果も期待できる。

▽前回の広島戦では、パトリックが攻撃の起点になりきれず、フラストレーションを溜めた結果、2回目の警告を受けて退場処分となった。パトリック自身にも、その雪辱を果たしたいとの思いは強いはず。この一戦では、ブラジル人ストライカーの働きに注目したい。

★さらにタスクが増えるワントップ(広島)▽2戦目をホームで迎える広島としては、ドローでもまずまずの結果となる。森保監督は、それほどリスクを冒すことなく、縦に速いロングカウンターを主体にアウェイゴールを目指すだろう。守備時には[5-4-1]のブロックを築き、ピッチをワイドに使った速攻を繰り出す得意の展開に持ち込めれば、直近の試合と同様に勝利に近づくことができる。

▽ただ、その戦い方はG大阪の長谷川監督も百も承知。必ず、直近の試合とは異なる策を講じてくるはずだ。広島が気をつけるべきは、やはりMF遠藤。シャドーストライカーの2人が両サイドをケアする“4-5”のブロックを形成すると、相手の3列目へのマークは必然的に緩くなる。遠藤がトップ下で出場した直近の対戦では問題にならなかったが、3列目でプレーしていたリーグ戦1stマッチではチャンスの起点となるパス出しをさせてしまった。広島としては、ワントップに入る選手が遠藤に気を配る必要がある。

▽広島の現在の戦術においてワントップのポジションは、最終ラインを引っ張る動きや1.5列目の選手のためのスペースメークなど、多くのタスクを強いられる。ベテランFW佐藤はハードワークが必要になるが、幸いにも森保監督にはFW浅野という素晴らしいカードを有している。セオリーになっている50分〜60分台の佐藤→浅野という交代策が生きる展開になりそうだ。

★先勝するのは!?

▽年間3位からの下克上を目論むG大阪と、年間1位のプライドを示したい広島。第2戦をより優位な状況で迎えるのはどちらのチームなのか―――。注目の第1戦は、2日の19:30にキックオフを迎える。