世にも奇妙な物語オフィシャルサイトより

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 11月28日に放送された『世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP〜映画監督編〜』(フジテレビ系)について、各種内容が「パクリではないか」とネット上で物議をかもしている。

パクリではなくオマージュ?

 妻夫木聡主演の「幸せを呼ぶ眼鏡」は、メガネに組み込まれた音声システム「ウェアラブルライフサポーター」が、恋愛成就をサポートする様を描いたストーリー。人間の心理や性格から犯罪係数を図る機能「シビュラシステム」が登場するサスペンスアニメ「PSYCHO-PASS」の本広克行が総監督をつとめ、音声システムの活用など同アニメとの共通点があることから「本広によるPSYCHO-PASSのセルフパロディ」と評された。

 しかし脚本について奇妙な話題が広まっている。発端は、小説家の渡辺浩弐が放送の1週間前にツイートだった。

「『世にも奇妙な物語』のスタッフさんに2年ほど前、眼鏡型端末を使ったシナリオ企画を渡したことがあります。主人公は彼女をゲットするためにそれを利用しようとします。視界に表示される情報で相手の好みを調べつつデートするのですが……という話。その後音沙汰ないけどあの企画どうなったかな」。

 さらに28日の放送後、コンタクトを使ったオチについて渡辺は、「僕が書いたシナリオとはオチが違いました。僕のは最後、部屋で一人になった女の子が自分の眼窩から『目玉』型のデバイスを抜き取ってニヤリ……ってものでした」と解説。しかしシナリオを持ち込んだ証拠がないため、一部ネットユーザーから「小説投稿サイトに投稿した後、脚本の形に書き変えて、制作会社に持ち込むべき」だったとアドバイスも出ている。

 同ストーリー内では、妻夫木演じる村上亮太が白ワイン「モンラッシェ」に関して説明するくだりが、1995年に放送された三谷幸喜脚本のTVドラマ『王様のレストラン』(フジテレビ系)の「第1話の台詞そのまま」と指摘されている他、一部では、ストーリーのアイデアがYouTube上に2012年に海外でアップされた短編映画「A Futuristic Short Film HD: by Sight Systems」に似ているという意見も。様々なパクリ疑惑が噴出している有様に、「そっくりでオマージュといったらよいのかパクリといったらよいのか……」と戸惑いを露わにする声もある。

 さらに物議をかもしたのが、佐藤嗣麻子が脚本と演出を手がけた竹内結子主演のストーリー「箱」。オチこそ違ったものの、2010年上映の映画『リミット』に「アイデアやストーリー展開が似ている」との指摘が続出。「この箱に一人で閉じ込められて、電話で助けを求める設定…洋画の『リミット』の丸っきりパクリなんじゃないか、リメイクなのか?? ここまで展開も一緒だと、ある意味お見事ですな」という皮肉や、「パクリ過ぎて唖然…こんなのが罷り通る事自体が超奇妙」「これの丸パクリやねんけど…著作権問題なるって」という声が相次いでいる。

「盗作問題は、クリエイティブな作品が対象であるだけに難しい問題ですが、原告となりうる原作者に許可を取っていれば問題はないでしょう。それにしても、今回の一連の脚本が仮にオマージュだとしても紛らわしいこと、この上ないです。ネット上ですぐ騒ぎになりますし、何より視聴者が『パクリじゃないか』と気になってストーリーに集中できなくなります。あまりメリットはないと思いますがね」(メディア関係者)

 奇妙な脚本で物議を醸した「世にも奇妙な物語」。許可は取ってますよね?

(取材・文/蒼木学)