「同性婚に賛成」が半数以上でも、自分の子どもが同性愛者は「イヤ」…意識調査に見る心理とは?

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今月28日、厚生労働省所属の研究機関である国立社会保障・人口問題研究所や大学の研究者などによる研究グループが、同性同士の結婚や、同性愛者や性同一性障害などLGBTと呼ばれる人々についておこなった意識調査の結果を発表しました。これは、全国すべての都道府県から無作為に選んだ20〜70代の男女2600人にアンケートをおこない、1259人が回答したもので、このようにLGBTや性的マイノリティに特化した調査が国の科学研究費助成事業として実施されるのは初めてとのことです。

同性婚「賛成」が過半数でも…


今月5日には、東京の渋谷区と世田谷区で、区が同性同士のカップルを認定する証明書(世田谷区は宣誓書の受領証)の発行がはじまりましたが、調査結果を見ると、同性婚(同性同士の結婚)について「賛成」(「やや賛成」も含む)という人は全体で51%。「反対」(「やや反対」も含む)は41%となっており、半数以上の人々が同性婚を「認めてもいい」と考えていることがわかります。ただし、調査では男性や高齢者のほうが同性婚に対する抵抗が強いという傾向も見られ、「賛成」の割合は男性では45%(女性は57%)という結果も。年齢別では、20代と30代では「賛成」が7割を超えるのに対し、60代では38%、70代では24%にとどまる結果となっています。

身近な人になるほど「嫌だ」


また、「身近な人が同性愛者だった場合」では、「嫌だ」(「どちらかといえば」も含む)という回答は、対象が「近所の人」なら39%、「同僚」なら42%なのに対し、「自分の子ども」では72%と、関係が近くなるほど同性愛への抵抗が強くなることもわかりました。さらに、「職場の同僚が同性愛だった場合」については、40代の男性管理職では「嫌だ」と答えた人が7割を超えるという結果も出ています。

一方で、こうした調査結果は、同性愛を含むLGBT、性的マイノリティの当時者にとっては、とても厳しいものということができます。

LGBTの当事者においては、家族や友人といった身近な人々に自分の性的指向(どんな性別の人を好きになるか)や性自認(自覚している性)を打ち明けられず1人で悩んでしまうというケースも多く見られます。LGBTに限らず、自分のさまざまな秘密を周囲にオープンにすることを「カミングアウト」といいますが、この行為には「(相手に)受け入れてもらえるだろうか?」という不安が常についてまわります。また、カミングアウトをすると、周囲に受け入れてもらえる場合もありますが、それをきっかけに人間関係のトラブルが起きたり、職場で「いじめ」にあったりというケースもあるのです。

しかし、いつかはカミングアウトをしなければ、当事者は「本当の自分」を周囲にずっと隠したまま生きていかなければなりません。

電通ダイバーシティ・ラボが全国約7万人を対象に広範囲な調査をおこなった「LGBT調査2015」によれば、LGBTといわれる層の割合は全体の7.6%。これは、もはや決して「少数」「ごく一部の人」とはいえない数字です。

同性婚や同性愛について根強い抵抗がある理由のひとつには、「無知による偏見」があると考えられますが、社会が「性の多様化」を受け入れる方向にシフトしつつある現在において、正しい知識や「受け入れる姿勢」を周知していくことが、職場や学校、地域などには求められているといえるでしょう。

<参考>
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151128/k10010322671000.html
(同性婚「賛成」過半数も抵抗感 NHK)
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2015/0423-004032.html
(電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2015」を実施 電通)
http://www.ipss.go.jp/pr-ad/j/jap/index.html
(国立社会保障・人口問題研究所)