40代の2人に1人「朝まで睡眠を維持できない」、改善が必要な理由とは

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40代といえば、仕事では忙しく、家庭では子育てや親の心配など、ストレスも多い世代。しっかり寝て心身の疲れを癒したいと思いながらも、近年では、朝までぐっすりと眠ることができない「睡眠維持力の低下」を訴える人が増えているようです。

日本人の睡眠時間は短い


厚生労働省によると、日本人、特に子どもや働く人の睡眠時間は、世界で最も短いと言われています。具体的な数字を挙げると、以下のような数値です(単位は時間)

<男性>
日本:7.52
ドイツ:8:00
イギリス:8.11
フランス:8.24
フィンランド:8.12

日本:7.33
ドイツ:8.11
イギリス:8.25
フランス:8.38
フィンランド:8.22

(※2就労者の睡眠時間の国際比較)

日本では、成人3人のうち1人が、「寝つきが悪い(入眠困難)」、「睡眠中に何度も目が覚める(中途覚醒)」、「朝早くに目が覚める(早朝覚醒)」など何らかの不眠症状に悩んでいると言われています(※)。質の悪い睡眠は、生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることも報告されていることから、それが習慣性のものであれば、早いうちから、ワークライフバランスを見直すことを、睡眠障害ということであれば、治療で改善できる可能性があります。

不眠症状の理由を自覚している人も多い


不眠に関する意識と実態を明らかにするために、MSD株式会社が全国の40代から70代の男女8000名を対象に調査した結果によると、「寝つきが悪い(入眠困難)」、「睡眠中に何度も目が覚める(中途覚醒)」、「朝早くに目が覚める(早朝覚醒)」という不眠症状のうち「中途覚醒」、「早朝覚醒」の症状がある人は、40代以上の半数以上(55.0%)にのぼるという結果でした。つまり、朝まで睡眠を維持できない“睡眠維持力の低下”です。また、生活習慣病患者においてはとくに顕著で、63.2%に“睡眠維持力の低下”がみられました。

不眠症状のある人の5割は「不安や興奮、緊張やストレス、考え事などで眠れない」と回答。「日中十分に活動していないため眠れない」は17.6%、「生活リズムが不規則で眠れない」は15.7%という結果でした。

睡眠障害を放っておくと…


厚生労働省によると、生活習慣病患者は、「不眠症」や「睡眠時無呼吸症候群」という睡眠障害を抱えている人が多いこと、さらにその後の調査研究で、睡眠不足が生活習慣病の罹患リスクを高め症状を悪化させることがわかってきたことが報告されています。

例えば睡眠時無呼吸症候群の患者では、夜間の頻回の呼吸停止によって「低酸素血症と交感神経の緊張(血管収縮)」「酸化ストレスや炎症」「代謝異常(レフチン抵抗性・インスリン抵抗性)」などの生活習慣病の準備状態が進み、その結果として5〜10年後にはなどに罹りやすくなる、ということです。

また慢性不眠症の患者では、「交感神経の緊張」「糖質コルチコイド(血糖を上昇させる)の過剰分泌」「睡眠時間の短縮」「うつ状態による活動性の低下」など多くの生活習慣病リスクを抱えています。入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒など不眠症状のある人では良眠している人に比較して糖尿病になるリスクが1.5〜2倍になることが分かっているそうです。

良質な睡眠を確保するには、ただ休日にただ長時間寝ればいい、というわけではありません。日々睡眠時間を犠牲にしてまでやらなければならない仕事、不規則な食事、運動不足、ニコチン・アルコールの過剰摂取など「生活習慣」を見直す事も重要です。また寒い時期には、入浴や寝具の工夫などで、快適な睡眠環境を整えることも、大切でしょう。長年の習慣は、なかなか1人では変えることが難しい面もありますが、生活をともにする家族と皆で、改善に取り組みたいですね。

<調査出典>
MSD株式会社 中高年の不眠に関する意識と実態調査を実施
http://prw.kyodonews.jp/prs/release/201508313107
※ 1.Furihata R et al. Sleep medicine 2012 13 (7) 831-837

厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 休養・こころの健康
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart