「EDの定義は難しいのです。ある人は『朝勃ちがないからED』と言い、またある人は『セックスでは中折れするけど、オナニーでは勃起するから大丈夫』と言う。わずかな違いに思えますが、実はこの差が重要なポイントとなります」
 こう語るのは医学博士の志賀貢氏だ。確かに何をもってEDと判断するかは曖昧だ。

 ED疑惑となるケースは大きく3つある。
 (1)性行為は可能だが、朝勃ちなどが少なくなった。
 (2)オナニーでは勃起するけど、セックスは中折れ多発。
 (3)まったく勃起しない。
 「まず、(3)は完全EDです。難しいのは(1)と(2)ですが、医学的な定義で言うと、(2)がEDとなります。なぜなら、EDとは“性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないために、満足な性交が行えない状態”のことを指すからです」

 お分かりだろうか。普段、オナニーや朝勃ちで勃起はあっても、いざ本番で十分な性交渉ができないことがEDなのだ。
 「中高年男性の中には『今もオナニーをヤッている』ことで、自分はEDではないと自信を持っている方もいます。しかし、セックスで中折れが頻発したり、最後まで射精できなかったりといった現象が続いていると、それはもう完全なEDなのです」

 このことに気付かないでいると、EDは悪化するという。
 「私は基本的にオナニーを推奨しています。やはり日頃から勃起させて、精液を放出することで、睾丸に次々と新鮮な精液が作り出されます。すると、アッチも刺激されて元気でいられるんです」

 ただし、オナニーばかりの毎日で、セックスから遠ざかっていると…。
 「最近の若者に多いのですが、いわゆる“膣内射精障害”を引き起こしやすい。これはその名の通り、女性の膣では射精できない障害で、その大半の理由はオナニーのやりすぎです。自分の指でナニを握りしめるオナニーは刺激が強いため、女性の膣に入れたとき物足りなさを感じるのです」

 中高年男性もオナニーで勃起するからといって、やりすぎは禁物なのだ。では、どうすべきか!?
 「パートナーと性行為をすることが一番ですが、そうした機会がない場合、オナニーのやり方を考えるべきです。私がオススメするのは、30分寸止めオナニーです。まず、官能小説など頭の中でイメージが膨らむオカズを用意して、じっくりと時間をかけてオナニーするのです。このとき、手っ取り早く射精するのではなく、ソフトに陰茎を握ってさする程度にすることが重要です」

 これで30分以上、じっくりと快感にふける時間も大切だ。
 「男性の体は興奮すればするほど、睾丸で精子が生産されます。つまり、寸止めの快感が繰り返されると、睾丸や陰茎が精子でパンパンになり、膨張してくるのです。その結果、我慢できなくなり暴発的に射精します。これが重要。自慰特有の力任せ、刺激任せの射精ではなく、辛抱たまらず出てしまう快感を体に覚え込ませるのです」

 こうしたオナニー法なら、いざ本番に挑んだ際、膣内の柔らかい感触でも強い快感を得られ、EDどころかカッチカチ状態を持続できるそうだ。
 ぜひ、お試しあれ!

志賀貢…医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。