ソフトバンクの層厚い先発陣【写真:編集部、和田毅は写真:田口有史】

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V3目指すソフトバンク、層厚い先発陣でローテ入り確実な選手は?

 2年連続の日本一に輝いたソフトバンクにまた1人、強力な投手が加わった。11月7日、来季の新戦力として、米メジャーリーグのカブスを今季限りで戦力外となった和田毅投手の加入が発表された。11年まで福岡でプレーした左腕は5年ぶりの古巣復帰となる。

 早大から03年に当時のダイエーに加入した和田。ルーキーイヤーに14勝を挙げると、そこから5年連続で2桁勝利をマーク。10年には17勝をマークして最多勝を獲得すると、16勝を挙げた11年オフに海外FA権を行使してオリオールズへと移籍した。

 NPB通算107勝。メジャーでは21試合で5勝5敗と結果を残せなかったが、日本での実績は輝かしい。来季2年目となる工藤公康監督は、左腕のローテ入り当確を明言している。3連覇を狙う来季。ソフトバンクの先発ローテはどうなるだろうか。

 和田の加入により、すでにローテは狭き門となっている。和田に加え、今季チーム最多の13勝を挙げ、プレミア12にも出場していた武田翔太、今季途中からローテに加わって9勝無敗と活躍したリック・バンデンハーク、5年連続2桁勝利を挙げ、FA権を行使せず3年12億円(金額は推定)で残留を決めた摂津正、今季は9勝止まりだったが、1年間ほぼローテを守った中田賢一、この5人は来季のローテが確実といえるだろう。

 これだけではない。今季は左肘の故障に苦しんだ大隣憲司は、遊離軟骨除去手術を受けて現在リハビリ中。来春のキャンプまでにはブルペン投球を再開出来る見通しだ。今季は先発、中継ぎでフル回転した寺原隼人も健在。2人も有力なローテ候補になる。

スタンリッジ退団も潤沢な戦力揃うホークス、有望な若手投手も豊富

 さらに、千賀滉大もいる。ロッテとのクライマックスシリーズ、ヤクルトとの日本シリーズでは重要な局面での中継ぎとして起用された右腕。150キロ台中盤の真っすぐと鋭いフォークを武器の千賀も来季は先発候補の1人に挙がる。

 今季鳴り物入りで加入しながら、右肩故障で1軍登板なしに終わった松坂大輔も、このままでは終われないだろう。右肩関節唇などの手術を受け、現在は温暖な米国でリハビリ中。来季は復活をかけるシーズンとなる。

 東浜巨、飯田優也、岩嵜翔、二保旭といった若手も、秋季キャンプで工藤監督自らがトレーニング方法を教え込んだように、ローテの一角に食い込めるくらいの成長を期待している。

 昨季のドラフト1位・松本裕樹や、同4位の笠谷俊介といった将来が楽しみな素材もいる。さらには、今年のドラフト1位、県岐阜商の高橋純平という大器も加わる。この3人は、育成主眼となるだろうが、その力でローテ争いに加われるようになれば、ソフトバンクの投手層はとてつもない厚みとなる。

 今季のローテからはジェイソン・スタンリッジが退団。ブライアン・ウルフも退団となった。しかし、その穴を微塵も感じさせないだけの投手陣が、今のソフトバンクには揃う。12球団一の熾烈な競争。これを勝ち抜けなければ、ローテの座をつかむことは出来ない。