大儀見を中心に良い連係を見せた日本。敗れはしたが、収穫もあった。(C)Getty Images

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 強い風が吹くなか、日本が風下でスタートしたオランダとの親善試合は立ち上がりに思わぬ形で動いた。4分には宮間のパスがずれるとカウンターを受けて先制点許し、22分には鮫島のトラップミスを突かれ2失点目。素早いチェックで日本のミスを誘い、カウンターを狙うオランダの術中にハマってしまった。
 
 日本は従来の経験豊富なメンバーと新戦力がピッチに並び、手探りのなかゲームを進めた。対してオランダはカナダ女子ワールドカップ時の顔ぶれとほぼ同じベストメンバー。お互いのチーム状況がそのままピッチに現われた。
 
 後半、佐々木監督は積極的に交代カードを切った。ただ立ち上がりに阪口のゴールで1点を返したが、終盤にはPKを献上。1-3で完敗した。
 
 ただ、苦境に立たされたからこそ見えた収穫もあった。ハイプレッシャーを受けた際、限られたスペースのなかで誰がエースの大儀見と連係してゴールに向かうのか――。
 
 先発で大儀見と2トップを組んだのは8月の東アジアカップで活躍した有町だった。オランダ遠征当初、大儀見は初めて組む有町に対して戸惑いを見せていたが、オランダとの試合ではイメージを共有できる点を認識。
 
 大儀見は代表のサッカーに慣れていない有町に動き出しの質と位置取りの改善を求め、有町もそれに応えようと動いた。9分に左サイドへ流れた有町がチャンスを作った場面と、その6分後の宮間からのパスを大儀見が相手と競りながら有町へパスを送った場面はイメージがシンクロしつつあることを印象付けたシーンだった。
 
 ただ、途中から中盤左サイドへポジションを移した有町は徐々に試合から消えてしまう。代わって前線に積極的に絡んだ宮間が大儀見との連係でチャンスを作った。できればこのふたりが有町からラストパスを引き出す形を見せてほしかったが、残念ながらそこには至らなかった。
 
 一方、後半に大儀見と組んだのは菅澤だった。通常とは異なり、大儀見がポジションを少し下げ、菅澤が前線に張り付く形。日本の得点は菅澤が前線でDFを引き連れ、こぼれたボールを阪口が決めたものだった。
 
 菅澤が得意とする形ではあったが、本人は「周りを使えるようにはなってきたけど、自分でシュートも打ちたかった」と反省。それでも大儀見は「動きを把握できてきている。ボールを受けた後の工夫が出てくればもっとテンポもよくなるはず」と、手応えを語る。
 
 チャンスを作りながらわずか1ゴールに終わった点は課題だ。ただ攻撃面の出来はスコアほど悪いものではなかったと言える。
 
取材・文●早草紀子