紅白出場を決めた星野源さん(オフィシャルサイトより)

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 今が旬の売れっ子俳優にしてシンガー・ソングライターの星野源さん(34)が第66回紅白歌合戦への初出場を決めた。5月発売の新曲「SUN」は配信ランクで軒並み首位、8月の武道館公演も大成功させて、"働く男"星野源の2015年が白組歌手として手締めされる次第だ。

 松尾スズキ率いる劇団「大人計画」所属の星野は、NHKのコント番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』に出演。『ゲゲゲの女房』での心優しき弟役とは一味違った、笑いの側面でも魅了した。今年3月には紅白誕生秘話をドラマ化した『紅白が生まれた日』にも出演していたから、NHKへの貢献度と全国区の知名度も申し分ない。

 一方、"多才な草食系男子"とも"塩顔男子"とも呼んで男優・星野源の変幻自在ぶりに魅せられている女性ファンたちは目下、産婦人科を舞台に綾野剛が主役医師を演じるTBS系ドラマ『コウノドリ』での冷静沈着な同僚役を讃美する声も上がっている。

爆発的な頭痛に襲われ神経もズタズタに......

 当の星野さん自身はかつて二度、重篤な病で救急搬送された経験を持っている。1回目の異変が起きたのは、2012年の師走。

 新作の録音を終えて制作陣と手締めをしている最中に「急に目の前がぐにゃっと曲がった」「バットで頭を殴られたような痛み」に襲われてその場に立っていられなくなった...と、のちの自著で述懐している。

 搬送先の医師の診断は「くも膜下出血」。手術前の星野本人には「絶対助かりますから」と笑顔を見せた担当医だが、関係者には後遺症の可能性も示唆されていたのを後で知る。
 
 幸い手術は成功したものの、真の苦しみは、まず術後の「爆発的な頭痛」として訪れた。食えず飲めずの状態で四六時中、ただただ激痛だけが星野の脳内をかけめぐったという。

 身動きもままならない病室内でどんどん神経が異常過敏になっていき、他の患者たちの息遣いや院内の機械類のノイズが攻めてきて不眠不休状態。「それが三日間続いた」と後日談で綴っている。

 それがどれほど重い痛みで、耐えがたい精神状態だったかは「今すぐにでもベッドの頭上にある窓から飛び降りたい」「早く死んでしまいたい」「こんな拷問のような痛みはもうたくさんだ」......という阿鼻叫喚の回顧文からも伝わってくる。

うつ病の併発と社会復帰の確率と

 くも膜下出血は脳卒中の一種。脳卒中には「脳出血」「脳梗塞」の2種があるが、いずれの場合もおよそ20~40%の患者にうつ病の症状が見られるという。

 原因は障害による身体の機能不全への苛立ち、療養環境や介護者との関係性の機微、あるいは職場復帰への不安などさまざまな理由が考えられている。

 だが、傍目には重篤な病への心理的反応だと捉われがちで"うつ病"のほうは見逃され気味だ。結果、リハビリ意欲も減退して病後の回復が遅れる。

くも膜下出血後は「死亡」「障害」「社会復帰」の3分1の確率で

 また、くも膜下出血は発症すると、ヾ擬圓3分の1が「死亡」、3分の1が「障害」を残し、残り3分の1が幸いにも「社会復帰」できるといわれている。

 それは近年の著名人の発症例、その後の明暗を比較検証してみると驚くほど確率の精度が分かる。

 2010年4月、読売巨人軍の木村拓也・内野守備走塁コーチが練習中に倒れて、そのまま還らぬ人となった(享年37)。彼の死から1年半後の2011年10月、一世を風靡した人気音楽ユニットglobeの歌姫にして小室哲哉夫人のKEIKOさん(当時39歳)もくも膜下出血で倒れ、現在もリハビリ中の◆

 そして、星野さんはの復帰組。だが、彼も2013年に「再発」を宣告されて二度目の手術を余儀なくされ、さらに過酷な闘病生活を乗り越えた。星野さん、紅白出場おめでとう!
(文=編集部)