計算ミスが軽減…子どもの学習面で効果を見せた「香り」とは?

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もうすぐ冬休みですね。夏休みに比べると学校の宿題は少ないですが、受験を控えた子どもたちにとっては、追い込みのための大切な時期。そんななか、公益社団法人「日本アロマ環境協会(AEAJ)」では、ある精油の香りが、子どもの学習時の気分に好影響を与え、集中力を高める重要な要素になっているとの研究結果を発表しました。

精油とは?


最近では、さまざまなショップで気軽に手に入るようになったアルマオイル。しかし、アロマテラピーに用いることができるのは、100%天然エッセンシャルオイル(精油)だけです。

アロマテラピーとは、花や葉、果皮などの植物から抽出される、香りのエッセンス=「精油」を用いた芳香療法のことです。医療の代わりではなく、香りの作用で健康の増進や病気予防に役立てるもので、香りが嗅覚を通して脳に伝わることで、心身にさまざまな作用をもたらします。

オレンジ・スイートのさまざまな優位性


どの精油が、どんな働きをするのかを、科学的に明らかにする取り組みを行っている日本アロマ環境協会では、この度、小学生を対象に、計算力と気分に与える精油の影響を明らかにする目的で実験を行いました。

その結果、オレンジ・スイートの精油が、集中力などの気分に好影響を与え、計算ミスが軽減することが示唆されたというのです。

実験は、11〜12歳の小学校6年生の男女38名(男子20名、女子18名)を対象とし、オレンジ・スイート精油の芳香浴後と精製水を嗅いだ後とで、百ます計算及び心理状態(気分)を計測しました。

百ます計算の誤答数を比較した結果では、精製水を嗅いだ群(平均4.4)よりもオレンジ・スイート精油を嗅いだ群(平均値3.2)の方が、計算ミスが約3割少ないという傾向が見られました。
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(図1)オレンジ・スイート精油の芳香浴による百ます計算の誤答数の変化

また、気分に対する検証では、活性度、安定度、快適度でオレンジ・スイートの精油に優位性がみられたほか(図2)、イライラ、集中、落ち着き、やる気、不安、きびきびしている、頭がスッキリ、元気がある、等の項目でも優位性が認められました(図3)。

d5249-19-315033-10図2:TDMS-ST(次的気分尺度)の変化 n=18/平均値

d5249-19-860903-9図3:VAS(視覚的評価スケール)の変化 n=18/平均値

※図2と図3 気分に対する検証で使われた評価方法
TDMS-S(二次元気分尺度):被験者による心理状態(気分)のセルフモニタリングを通して、心の「活性度」「快適度」「安定度」を測る検査です。8項目の質問に答えることで測定時の心理状態を数量化することができます。

VAS(視覚的スケール): 10cmの直線を引き、例えば、元気があるという項目では、右端を「想像できる最高の元気」とし、元気がない状態(O状態)を左端として、自分がどの状態にあるか印をつけてもらう評価方法。診療の場でよく使われています。

脳の血流量にも目に見える変化


今回の実験では、精製水を嗅いでから百ます計算に取り組んだ場合と、オレンジ・スイート精油を嗅いでからの場合とで脳の血流量も測っていますが、オレンジ・スイート精油は精製水と比較して、百ます計算を始めて早い段階で、側頭葉から前頭葉にかけて脳血流が増加し、脳が活発に働き、集中力が高まっていたことも分かりました。

杏林大学医学部 精神神経科の古賀良彦教授によると、「計算」という知的な作業は脳の前頭葉を使い、その部分の働きが高まっているほど前頭葉の血流が増加するのだそうです。また、前頭葉の大部分を占める前頭前野は、脳において最も知的で高度な働きをする部位であり、今回の調査結果によって、オレンジ・スイート精油の香りは前頭前野の血流を増加させ、その働きを高めることが示された、とも述べています。

もっとも簡単に行えるアロマテラピー法とは


オレンジの精油には、スイートとビターがありますが、今回検証したオレンジ・スイートは、果皮から採取された甘い爽やかな香りする精油です。アロマテラピー初心者でもなじみやすく、多くの人に愛されています。

アロアテラピーとしてもっとも簡単な方法は、手持ちのハンカチやティッシュに精油を1滴垂らすだけ。香りを嗅ぎながらそっと深呼吸してみましょう。
香りが苦手な人もいますので、精油の扱いには周囲の状況に注意しましょう。

※試験会場内では、他の受験生への影響を考慮し、使用はお控えください。

<参考・調査出典>
オレンジ・スイート精油が子どもの計算ミス軽減に寄与
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000005249.html