Googleブランドの最新ハイスペックスマホ「Nexus 6P」を5Xや6、5といった他のリファレンスモデルと比較!スペックやサイズ、ベンチマークをチェック【レビュー】
Googleスマホ「Nexus 6P」を5Xや6、5と比べてみた! |
日本でもGoogleの公式Webストア「Google ストア」およびSoftBankから販売されているGoogleブランドのリファレンスモデルにおける最新かつハイエンドなスマートフォン(スマホ)「Nexus 6P」(Huawei Technologies製)。
同時に発表されたミドルレンジクラスの「Nexus 5X」と注力されたカメラ機能(電子式手ブレ補正のみNexus 6Pだけ対応)や指紋センサーといった点は同じながら、より上位モデルとして約5.7インチWQHD(1440×2560ドット)有機ELディスプレイやオクタコアCPU、3GB内蔵メモリー(RAM)などと高いスペックとなっています。
◯まずは外観やスペックを比較
スペックや外観を比較してみます。サイズは画面が小さくなったものの縦はほぼNexus 6と同じで、幅がNexus 6よりも約5mmほど狭くなっています。Nexus 5XやNexus 5と比べるとかなり大きいです。
外観としては背面がかなり流線型というか端が薄く本体中央に向かって隆起していたNexus 6と比べるとおとなしくなりました。アルミ素材のメタルボディーでデザインは不評なようですが、実際に手に持ってみると質感も良くこれはこれでありなんじゃないのかなと思えてきます。
また、ディスプレイを覆う強化ガラスが他の3機種がGorilla Glass 3(以下、GG3)なのに対し、Nexus 6Pではさらに新しいGorilla Glass 4(以下、GG4)になって、より傷つきにくく、割れにくくなっています。
機種 | Nexus 6P | Nexus 5X | Nexus 6 | Nexus 5 |
メーカー | Huawei | LG | Motorola | LG |
サイズ | 159.3×77.8×7.3mm | 147.0×72.6×7.9mm | 159.26×82.98×10.6mm (最薄部約3.8mm) | 137.84×69.17×8.59mm |
質量 | 178g | 136g | 184g | 130g |
画面 | 5.69インチGG4 WQHD有機EL | 5.2インチGG3 フルHD液晶 | 5.96インチGG3 WQHD有機EL | 4.95インチGG3 フルHD液晶 |
チップセット | S810 | S808 | S805 | S800 |
CPU | 64bit 8コア (2.0GHz×4+1.6GHz×4) | 64bit 6コア (1.8GHz×2+1.4GHz×4) | 32bit 4コア (2.7GHz×4) | 32bit 4コア (2.26GHz×4) |
GPU | Adreno 430 | Adreno 418 | Adreno 420 | Adreno 330 |
RAM | 3GB LPDDR4 | 2GB LPDDR2 | 3GB LPDDR3 | 2GB LPDDR3 |
ストレージ | 32、64、128GB | 16、32GB | 32、64GB | 16、32GB |
外部メモリー | ― | ― | ― | ― |
リアカメラ | 1230万画素 | 1230万画素 | 1300万万画素 | 800万画素 |
フロントカメラ | 800万画素 | 500万画素 | 200万画素 | 130万画素 |
電池容量 | 3450mAh | 2700mAh | 3220mAh | 2300mAh |
指紋センサー | ◯ | ◯ | ― | ― |
USB端子 | type-C | type-C | micro | micro |
非接触充電 | ― | ― | ◯ | ◯ |
また、筆者が購入したのは32GB内蔵ストレージモデルですが、Nexusシリーズでははじめて128GBモデルもラインナップされており、RAMもNexus 6と同じ3GBではありますが、より高速なLPDDR4になっています。
リアカメラも画素数こそNexus 6の1300万画素よりも低くなっていますが、Googleが注力したという1画素のサイズが1.55μmと「iPhone 6s」シリーズよりも大きくしたことで、より明るく鮮明な写真を撮影できるようになっています。リアカメラはNexus 5Xとほぼ同じですが、Nexus 6Pのみが電子式手ブレ補正(OIS)に対応。
Nexus 6およびNexus 5からのマイナス点はほぼないですが、すでにNexus 5Xの総評をまとめた記事でも紹介したように非接触充電(Qi)に非対応になったのがすでにQiを利用している人にとってはデメリットでしょう。
左からiPhone 6 PlusおよびNexus 6Pも並べてみましたが、5.7インチのNexus 6Pと5.5インチのiPhone 6 Plusなので若干だけiPhone 6 Plusのほうが小さい印象
◯使ったベンチマークアプリ
今回の比較に使用したベンチマークアプリは「AnTuTu Benchmark」(v5.7.1)および「AnTuTu Video Tester」、「3D Mark」、「Geekbench 3」、「Quadrant Standard Edition」の5つとなります。また、スペックの表示比較に「CPU-Z」を使用しています。
CPU-ZはCPUやGPU(画像処理用プロセッサー)などがリアルタイムに動いて表示されるので、この画像で表示される内容がすべてとは言えないものの、Nexus 6Pがオクタ(8)コアであることがわかります。なお、GPUの最大クロック数はNexus 6P、Nexus 5X、Nexus 6はともに600MHzですが、GPU自体は細かく異なっています。
その他ではNexus 6PとNexus 6では画面解像度がWQHD、Nexus 5XとNexus 5はフルHDなどがスペックの比較表の通り違います。なお、各製品ともにOSをAndroid 6.0(開発コード名:Marshmallow)の最新版にアップデートしており、Nexus 6PとNexus 5Xは64bit版、Nexus 6とNexus 5は32bit版で実行しています。
比較1:AnTuTu Benchmark
まずは、スマホやタブレット用ベンチマークアプリの超定番のAnTuTu Benchmarkにて比較してみました。結果は以下の通りです。
さすがに最新チップセットの最上位だけあって総合の数値的にもNexus 6Pが高くなっていますが、1つのCPU当たりのクロック数が高いNexus 6のSnapdragon 805のシングルコアでの数値はさすがに高いです。その他はほぼNexus 6Pがどの数値も同じか高くなっており、CPUの整数演算はNexus 6の倍以上となり、RAMも速くなっています。
比較2:AnTuTu Video Tester
続いて、同じAnTuTuシリーズの動画再生に特化したAnTuTu Video Testerを試した結果が以下の通り。Nexus 6PとNexus 5Xは完全サポートが12、部分的にサポートが2、サポートしないが16で数値的にはNexus 5Xのほうが良くなっています。なお、Nexus 5では最新版がうまく動作しなかったので保留中。
比較3:3D Mark
3D Markも超定番で美しい3Dレンダリングをリアルタイムで行い、能力を計測できるベンチマークアプリです。また、スペックに合わせた複数種類のベンチマークを計ることができるのが主な特徴です。3D Markの比較結果は以下の通り。
今回の3D Markの比較テストではNexus 6PおよびNexus 5X、Nexus 6では「Sling shot using 3.1」という最新のベンチマークを行いましたが、Nexus 5は3.1が性能不足で動作させられないということで「Sling shot using 3.0」という1つ前のベンチマークテストを行っています。
Nexus 5だけ3.0だというのを無視しても、性能通りにNexus 6P、Nexus 6、Nexus 5X、Nexus 5という順番となっており、特にNexus 6Pの数値がかなり高くなっています。
比較4:Quadrant Standard Edition
Quadrant Standard Editionは最近更新がないですが、昔からの定番ベンチマークアプリです。結果は以下の通り。なぜかNexus 5Xがよくありませんし、Nexus 6とNexus 5が同程度となっていますが、Nexus 6Pが圧倒的に高い数値なのはわかります。
比較5:Geekbench 3
CPUのシングルコア動作性能とマルチコア性能を分けて性能を計ることができるちょっと玄人向けなベンチマークアプリであるGeekbench 3での比較結果が以下になります。
一方、Geekbench 3ではシングルコアおよびマルチコアともにNeuxs 6P、Nexus 5X、Nexus 6、Nexus 5となっており、Nexus 6Pが最も高性能なのは変わりませんが、3D Markと異なってNexus 5XとNexus 6は入れ替わっています。
この当たりはNexus 5Xのベンチマーク記事でも書かれていませうが、CPU以外の部分(メモリやチップセットなど)での世代が新しく、より効率よく最適化されていることが影響しているのかなと予想されます。
スペックでは圧倒的!発熱問題もなく
最後にこれまでのベンチマーク結果を表にまとめておきます。結果としてはNexus 6Pは非常に高い性能の製品であることがわかったと思います。また、発熱問題が指摘されていたSnapdragon 810ですが、少なくともNexus 6Pでは問題ないと思われます。
もちろん、かなり負荷をかけ続けるとそれなりに熱を持ちますが、熱くて持てないということもないですし、動作が緩慢になったり、発熱によってカメラが利用できないなどの問題も発生していません。
逆に冬だからというのもありますが、メタルボディーのために置いておいた後に持つと冷たいのが気になります。冬なのでむしろあったかいほうがいいのですが、そううまくはいかないものです。
機種 | Nexus 6P | Nexus 5X | Nexus 6 | Nexus 5 | |
AnTuTu Benchmark | 60872 | 52342 | 50095 | 30299 | |
AnTuTu Video Tester | 713 | 742 | 732 | ― | |
3D Mark | 1911 | 1119 | 1358 | 1045 | |
Quadrant Standard Edition | 26091 | 10027 | 13435 | 13230 | |
Geekbench 3 | Single | 1355 | 1266 | 1013 | 891 |
Multi | 5018 | 3464 | 3072 | 2895 |
記事執筆:memn0ck
アプリ名:AnTuTu Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:AnTuTu
バージョン:5.7.1
ANDROID 要件:4.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.antutu.ABenchMark
アプリ名:AnTuTu Video Tester
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:AnTuTu
バージョン:2.2
ANDROID 要件:2.3以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.antutu.videobench
アプリ名:3D Mark - The Gamer's Benchmark
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Futuremark Oy
バージョン:1.5.3285
ANDROID 要件:4.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.dmandroid.application
アプリ名:Quadrant Advanced Edition
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Aurora Softworks
バージョン:2.1.1
ANDROID 要件:1.5以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.aurorasoftworks.quadrant.ui.advanced
アプリ名:Geekbench 3
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:Primate Labs Inc.
バージョン:3.3.2
ANDROID 要件:4.0以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.primatelabs.geekbench
アプリ名:CPU-Z
価格:無料
カテゴリ: ツール
開発者:CPUID
バージョン:1.15
ANDROID 要件:2.2以上
Google Play Store:http://play.google.com/store/apps/details?id=com.cpuid.cpu_z
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