現実と「STAR WARS」の世界が融合する異色の写真展「DARK LENS」。

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現実と「STAR WARS」(以下、スター・ウォーズ)の世界が融合する異色の写真展「DARK LENS」が、渋谷・ディーゼルアートギャラリーにて開催中だ(〜2016年2月11日)。

霧の中を徘徊するAT-AT、荒涼とした都市の中を疾走するスピーダーバイク、ドバイのビルの建設現場に着陸するミレニアム・ファルコンなど、ジョージ・ルーカスによって生みだされたキャラクターが、まるで私たちの世界に入り込んだかのような作品は各国のファンに支持されている。

作品を手掛けたのはパリ在住のアーティスト、セドリック・デルソーさん。今回、日本初個展を行うセドリックさんにインタビューを行った。(通訳:キュレーター ベルゴンゾ・フィリップ氏)

――初めての東京はいかがですか?
今まで色んな国から呼ばれて個展を開いてきましたが、インドと日本だけはまだ行ったことがありませんでした。今回個展を機に来日が実現し、嬉しく思います。東京は光も、色も、線も他の都市とは違いますね。

いつもカメラを2台持ち歩いています。カメラを持つことで、周りの人たちや建物、風景などとコミュニケーションできるようになり、安心します。今朝はプライベート用の小さいカメラで、新宿・表参道・渋谷など写真を撮って歩きました。ほとんど自然に任せるような感じでパパパパパと。

――作品を作った経緯を教えてください。
私がやりたいことは、単に「面白い」や「楽しい」など言われる作品を作ることではありません。誰もが見る日常の風景にSFのものを溶け込ませることによって、実際にはありえないけど、まるでありえるような世界を作り出すことです。

――なぜスター・ウォーズをモチーフに選ばれたのですか?
私とスター・ウォーズとの出会いは9歳のとき。3作目に当たるエピソードVIが公開された年でした。この作品のインパクトによって、私の中でSFの扉が開きました。SF映画は他にもたくさんありますが、星々で異なる文化や言葉、未来の過去・過去の未来など、ここまで細かく世界を作り込んだ人はジョージ・ルーカスしかいないと考えています。私にとっては、「SF=スター・ウォーズ」なのです。

――作品はどのような過程で作られるのですか?
写真を撮るときにはステップがあります。初めてその土地に訪れたときは、今朝のように小さいカメラで何も考えず撮りまくります。その段階では、作品に使えるような場所があるかどうかはまだわかりません。ただ「感じる」のです。この過程が「撮る」よりも大事。まずは、作品を作るための気持ちを呼ぶのです。

続いて作品にする写真の撮影に移るときは、まるでメガネをかけるように気持ちを切り替えます。例えば「Dark Lens」のシリーズだったら、「Dark Lensメガネ」をかけて。また、1つのシリーズのために撮った写真は、他のシリーズで使うことはありません。シリーズによってメガネ(=気持ち)も変わります。

――作品を作る際に気を付けていることは?
バランスがとても重要ですね。キャラクターのインパクトが強すぎれば、ただのスター・ウォーズの写真になる。足りなければ、スター・ウォーズとまったく関係の無い写真になってしまう。何年か前に、「こんな作品は誰でも作れる」と言って真似をしていた人たちがいました。けれど実際に作られたものを見てみたら、ただおもしろおかしいだけの作品に仕上がっている。キャラクターや、その場所へのリスペクトが足りていないとそうなります。

それからもう一つ、私が作品を作る上でいつも心がけているのが“Intuition(直観力)”です。どうしてその作品を作りたい気持ちが生まれたかが大切です。他の真似する人たちも、この“Intuition”が足りない。ただのアイデアだけでは作れません。