水に浮いてしまう「軽すぎる金」をチューリッヒ工科大が開発。正体は空気を98%含むエアロゲル

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スイス・チューリッヒ工科大学の研究者が非常に軽く「水にも浮く純金の塊」を作り出しました。金色をした他の金属などではありません。また錬金術とかオカルトの話でもありません。 

【ギャラリー】水に浮く金塊 (3枚)

種明かしをすると、その金塊は実際には非常に僅かな純金をもとにして作られました。エアロゲルの製法を利用しており、見ためは金塊そのものながら98%が空気でできています。つまりもとの金はわずか2%しか含まれません。

​製造方法は、まずミルクプロテインを熱し、ナノメートルレベルのアミロイドフィブリルにします。そして、金を王水に溶かし水酸化ナトリウムで中和した金塩溶液と混ぜあわせることでミルクプロテインと金の成分を微粒子化します。これをCO2を使って乾燥させることで金はエアロゲル化します。
 
左はミルクプロテインのみ、中央および右は金を混ぜたエアロゲル
反応条件を調節することで、この金フォームは色が変わり、えんじ色などにすることもできました。

もともと柔らかい金ですが、エアロゲルにすることで非常に柔らかくさらに脆くなります。しかも、金の成分は内部で分断されているため、電気を通しません。しかしたとえば指で抑えたりすると圧縮されてしまい、金の成分どうしが接触するため電気が流れるようになります。

研究者らは「この新素材が宝飾品や腕時計を含むいろいろな分野に応用されるだろう」としているものの、いまいちどんな分野にどのように応用できるのかが想像できません。