世界最高得点記録更新を記憶から吹き飛ばし、総括は「羽生氏の顔」で落ち着いた2015NHK杯ショートプログラムの巻。
お、お、陰陽師!すぐ来てくれぇぇぇぇぇ!!

見てはいけないものを見てしまったかもしれない。でも、その瞬間を大切に抱きしめたくなる気がする。感動とか感心とか畏怖とかをすべて吹き飛ばす、顔。リンクサイドには泣きの織田信成、ドヤの鈴木明子という日本を代表する顔芸の持ち主がいる中で、彼らをも凌駕し、吹き飛ばしてしまった怒り面を持つ新たな顔芸チャンピオン。

「僕はスケートだけでなく顔芸でも頂点に立つ」

そんな声すら聞こえてきそうな顔を、世界中のスケートファンに刻みつけた男。その名はアシュラマン…じゃなくて羽生結弦。27日に行なわれたフィギュアスケートGPシリーズNHK杯でショートプログラムの演技に臨んだ羽生氏はいくつもの偉業を同時に達成しました。SPで4回転2本という高難度もそうですし、それをやり切って世界最高得点記録を更新したこともそうですし、地元日本の期待に最高の形で応えたこともそう。素晴らしい戦いぶりでした。が、最終的に一言でまとめると「顔」。

仮にこれが1位でなかったり、世界最高得点でなかったとしても、この演技は羽生結弦クロニクルに残る名場面のひとつとなったことでしょう。「一生使える素材」「羽生結弦大喜利のお題」「大きくプリントして壁に貼りたい」…想像力は無限に膨らんでいきます。いや、本来ならですね、この前フリではこの2年間の苦労とか戦いとか、偉大な記録への感動とかをつづるべきなのでしょうが、顔しか浮かんでこないのです。顔についてひととおり全部吐き出すまで、何も手がつかない。それぐらいスゴイものを見せつけられてしまった。

僕はこれからインターネットという広大なゴミの山にのぼり、穴を掘ります。深い深い穴を掘ります。隣ではどこかの床屋が「王様の耳はロバの耳!」と叫んでいますが、負けないように穴を掘ります。そして大きな声で叫ぶのです。「すんげぇ顔!!」と。羽生ファンコア層に見つかったら怒られるかもしれないな…と、周囲への警戒を最大レベルで高めながら……。

ということで、織田・鈴木・浅田・宮原ら顔芸巧者を押しのけて世界最高KOG加点を積み上げた羽生結弦氏について、27日のNHK中継による「NHK杯フィギュア」よりチェックしていきましょう。

◆演技吹き飛んじゃうから!リンク出るまでがプログラムだから!顔自重!

ビッシビシに埋まったビッグハット。長野五輪の舞台ともなったリンクには厳しい戦いを勝ち抜いたファンたちが集っていました。かつてない過酷なチケット争奪戦。正規ルートで当選した幸運な人々と、裏道を突破してきた強い決意の持ち主たち。感心はしませんが、裏道を抜けてくるだけの価値がこの大会にはあった。開催前の段階でもそう思っていましたが、SPを終えてその想いはさらに強まります。みなさん、いいものを見ましたね。おめでとうございます。

注目を集めたのは男女のシングル。絶対王者・羽生結弦氏と復活の浅田真央。両巨頭が並び立つという夢の顔合わせは、早くも今年の大一番という風格すら漂わせています。「何でこんな小さな箱でやるんだ!」「ドームだって埋まるぞ!」「だからオリンピックスタジアムに屋根をつけておけとあれほど!」と1998年長野五輪組織委員会に対して、改めてイラッも湧きあがってきます。

そんな国民の期待&憤りを悟ったか、NHKは何だかんだ理由をつけてテレビ&ネットによるLIVE中継を決断。この英断によって、どれだけのOLが救われたことか。さすがNHKわかっておるな。結局、一番面白い番組はNHKだな。会社のパソコンでLIVE中継を観戦しながら、クライマックスである「顔」へと僕は向かっていきます。

まずは男子シングル。前半グループには日本の田中刑事さんも登場するとあって、序盤から熱気は高め。スタンドでは各国の国旗が揺れ、お手製のバナーがはためきます。田中さんはコンビネーションが2回転+アンダーローテーションの3回転となるなど、完璧な滑りとまではいきませんでしたが、自己ベストを更新する演技でさらに観衆をわかせてくれました。揺れる「KG」のバナーを見ながら、僕も「刑事だからKG?」「ということは田中刑事はTKG?」「たまごかけご飯!」と大きな拍手を送ります。

そして、何と言っても注目は中国のボーヤン・ジン。世界でも類を見ない4回転ルッツ+3回転トゥループという超高難度コンボを引っ提げ、優勝候補の一角として日本に乗り込んできました。練習でもバンバン決まるジャンプは「リスクを負ったチャレンジ」ではなく「マスターした技」。中国杯でも世界王者ハビエル・アンドウ・フェルナンデスをTESで上回った新星が、今度は絶対王者・羽生結弦に襲い掛かります。

冒頭の4Lz+3Tは見事に成功。トリプルアクセル、演技後半の4回転トゥループも含めジャンプは3本とも加点がもらえる出来栄えで決めてきます。手足の動き、踊りとしての滑らかさ、音楽を表現するパフォーマンスという部分ではまだこれからという印象もありますが、アスリート面では世界トップを争える演技。浅田真央、羽生結弦がかつてそうだったように「コイツやべぇな…」という戦慄すら覚えます。

↓2018年、平昌五輪ではこの進化形とメダルを争わなくてはならない!


フリーでは4回転4本入れて合計6本のクワドを予定!

そのうちジャンプが全部4回転以上になったりするんじゃないか!

そりゃ羽生氏もSPでクワド2本入れる世界に踏み込むわけだわ!

人間には2種類のタイプがいます。大きな壁を前にしたとき、ひるむタイプと、壁を乗り越えようと燃えるタイプ。しかし、この日のリンクサイドには人外の怪物がいた。会場の拍手と漏れ聞こえるアナウンスから得点状況を悟り、ひるむでも燃えるでもなくニヤッと笑った氷上の鬼神が。「僕の前に壁が立ちはだかるなら、壁ごとぶち壊す」という第3の対応で演技に臨む、地獄のユヅルが…!

6分間練習で静かに闘志を高める羽生氏。その表情はむしろ喜びすら感じさせるもの。王者として受けて立つ機会が多かった最近のものというより、パトリック・チャンに挑み、跳ね返されていた頃のような「攻撃者」としての表情。OLにとって重要な問題である「羽生クンは受?攻?」という論争を「攻」の一択で決着させる超攻撃的モードで羽生氏は静かに燃えています。この炎の前では、仮に序盤は受で始まる薄い本があったとしても、途中から反撃に転じて最終的には攻めまくっているイメージしかわいてきません。

リンクではアメリカのドーンブッシュ、ロシアのメンショフと演技を行ない、3番手では日本の無良崇人さん(洋菓子のヒロタ)も登場。最近はパッとしない大会がつづいていた無良さん(洋菓子のヒロタ)ですが、今回は久々に良・無良(洋菓子のヒロタ)が出現します。無良(洋菓子のヒロタ)は冒頭の4回転、さらに雄大なトリプルアクセルを決めるイイ滑り出し。演技後半のステップシークエンスでは、観衆の拍手も引き出す好演技を見せます。無良さん(洋菓子のヒラタ)らしさを発揮して、88.29点の高得点!

↓広田(洋菓子のムラタ)は納得の演技で高得点に感謝!


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チェコのブレジナが魅せたキメ顔、ロシアのコフトゥンの軽快なダンスも広田には及ばず、いよいよ鬼神の出番。「絶対に抜かしてやる」という想いを胸に秘め…ていうか秘められず全身から闘気のようにほとばしらせながら、羽生氏はリンクに立ちます。2年間磨き上げ、この日に備えてジャンプの構成を変更してきたショパンのバラード第1番。まるでRPGの戦闘曲のようにショパンを鳴り響かせて、羽生氏は動き出します。

スケートカナダではトリプルアクセルだった冒頭のジャンプは4回転サルコウに変更。大きく傾き、あわや転倒という空中での動きでしたが、グッとこらえて踏みとどまります。これだけ乱れてもまだ加点が残るあたりは、詰め込んできたものの大きさも感じさせるナイスこらえでした。構成が変わったことで途中のつなぎも大きく変更して臨む2つめのジャンプは、4回転+3回転の素晴らしい出来栄え。演技後半のトリプルアクセルもイーグルサンドこそないものの、大きな加点がもらえる質の高さ。4回転2つという高難度構成を見事にやってのけました。

ただ、それだけではないところが凄まじい。スピン・ステップすべてでレベル4を取ることはもちろん、特にスピンは素晴らしい。オモチャ屋のコマでも試しに回せばデキのバラつきがあるものですが、羽生コマは完璧な仕上がりの逸品です。ブレない、滞らない、速い。全部を高いレベルで遂行できることは承知のうえで、あえて1要素を採り上げるなら「スピンの羽生」と呼びたくなる美しさ。加点・加点・加点の嵐で羽生氏は攻めます。攻めまくります。攻めて!もっと攻めて!!

↓そして演技を終えた瞬間はこの阿修羅の怒り面!客席ではスタオベの一段上のゾーン、スタンディング号泣が始まった!

バラードの顔じゃねぇぇぇwwwwwwwwwwww

曲の解釈どうなってんだコレwwwwwwwwww

子どもが泣いちゃうwwwwwwwwwwwwwww

怖い!怖いよ!怖いから抱いて!抱き締めて!


↓阿修羅の怒り面からリプレイを経たキス&クライでは一転して天使の笑顔に!



鬼神が天使に戻った!

106.33点は自身の記録を更新する世界最高得点!

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本人自ら拍手をするほどのデキ。2年間演じてきたプログラムがひとつの高みに到達した瞬間に、ジワーッと感慨も広がります。冷めやらない興奮を吐き出さずにはいられないような余韻の中で、羽生氏は堂々の1位でSPを終えました。我が家のスタンドでもお客が口々に「マリア様システムで妊娠しそう」「あの顔で産めって言われたら3人くらいまとめて産める」「私、男だけど受胎したと思う」「魔除けになりそう」「私がピンチのときにあの顔で駆けつけてほしい」「逆にピンチが加速してる感じもするけど…」「日めくりカレンダーで全ページアレでもいい」「ビックリして目が覚めそう」「CMでも使えるんじゃないかしら」「フォトショップ加工で右手に商品を持たせて『キリシトールホワイトが出たのじゃぁ!!』とか言わせる感じ」「アレ絶対、陰陽師案件よ」「もしかしてそういう構成?」「ひとりでオペラ座の怪人とクリスティーヌ演じる、的な?」「初日に自分で鬼やって、2日目に自分で陰陽師やる、的な?」「ていうか、狂言を学んできたはずなのに何であぁなるのよ」「歌舞伎じゃん」「歌舞伎で見るヤツじゃん」「あと、もののけ姫でも見た」「和が入り乱れてる」「あー産みたい」「今年はサンタさんに『羽生氏の遺伝子』をお願いしよう」「日本に生まれてよかったわぁ」と熱気が充満していました。

その熱気は、幕間のニュースで流れたキャシー・リードさんの顔がパンパンであったことも、織田信成さんのスーツがブカブカであったことも、浅田真央さんのSPが要素ヌケヌケであったことも、すべて吹き飛ばしてしまいました。ロシアのポゴリラヤさんがコケまくっていたのも、あるいは「顔」のせいだったかもしれません。「さっきココであの顔してたなぁ…」とか思ったら、集中力を欠いてしまうかもしれませんからね。とにかく、この日は全部「顔」が持っていきました。喜びも悲しみも怒りも、すべての感情を巻き取りながら。

↓日本の宮原さんも会心の演技で会心のガッツポを見せるも、「顔」には及ばず!


いやー、普段の大会ならコレだけでご飯一杯いけるんだけど、同じ日にアレと被っちゃったからなぁ!

これだけの顔芸勢が集った大会で、持っていかれるとは思わなかった!

迎えて今日のフリー。あの「顔」を説伏して吹き飛ばす勇者は現れるのか。2005年のNHK杯が「何があったかは忘れたけど殿がめっちゃ泣いててクソワロタ大会」という形で記憶されたように、2015年のNHK杯は「顔」が記憶されることになるのか。アレを吹き飛ばすには、最低でも「前人未到の300点」が必要となるかもしれませんが、何とか頑張ってもらいたいもの。まぁ、300点取ったら結局もう一回同じ鬼が出ているかもしれませんが…。

↓もう一回見直したら、案外普通に見えるかもと思って見返したけど、やっぱり「顔」だった!

来年の警視庁のポスターとか、痴漢防止の啓蒙ポスターとか、薬物ダメのヤツとか、あらゆる場面で使えそう!

僕も会社のデスクに貼って、サボり防止につとめたいと思います!

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とりあえず次の節分では「あの顔のお面がつく豆」をお願いします!