「Thinkstock」より

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 俳優・大沢樹生が、元妻の女優・喜多嶋舞との婚姻後に生まれた長男が「実子でない」と「親子関係不存在確認」を求めた裁判で、東京家庭裁判所が「親子関係はない」との判決を下した。

 大沢と喜多嶋は1996年に“できちゃった結婚”後、2005年に離婚した。13年12月に、大沢が「DNA鑑定の結果、長男は実子ではない」と週刊誌で暴露すると、喜多嶋側が反論、真の父親について複数の名前が浮上するなど、泥沼の様相を呈していた。

 大沢と長男の関係について、ようやく司法的な判断が下されたわけだが、問題はそれだけではない。一部では、結婚当時、酔っ払った喜多嶋が大沢に対して「(長男の)父親は別の男性」と言い放ったとも報道されている。仮に喜多嶋が、長男が大沢の子ではないことを知っていながら、それを明らかにせずに結婚していたとすると、法的に問題はないのだろうか。

 弁護士法人AVANCE LEGAL GROUP LPCの渡部貴之弁護士は、以下のように解説する。

「裁判例が少ないため難しい問題となりますが、詐欺による婚姻の取消が認められ、不法行為が成立する可能性があります。まず、虚偽の事実を告げられるなどにより重要な事実について誤信し、その結果として婚姻した場合は、婚姻の取消の対象になる可能性があります。

 例えば、女性が年齢を20歳以上若く申告していたケースで、詐欺による婚姻の取消を認めた裁判例があります。当該裁判例では、男性が女性の言動などにより『実際より20歳以上若い』と誤信していた点、男性が想定していた年齢とあまりに異なるのであれば、婚姻後の生活設計も土台から崩れる点などを理由に、詐欺による婚姻の取消を認めています。

 当該裁判例と同様に考えれば、女性が交際相手の子でないにもかかわらず、嘘をついていた場合、男性は『自身の子ではない』という重要な事実に関して誤信していたといえます。その誤信の結果、婚姻したとすると、婚姻後の生活設計が土台から崩れる可能性は十分にあることから、取消権を行使できる期間内であれば、婚姻の取消が認められる可能性はあると考えられます」

●精神的損害の賠償は?

 虚偽の事実を告げられて結婚した場合、その後の生活設計が崩れるだけでなく、精神的な苦痛も相当なものになることが予想される。その点については、どうなのだろうか。

「虚偽の事実を告げられるなどにより婚姻し、結果的に婚姻が取消された場合、当事者は精神的損害を受けることになります。そのため、『自身の子である』と嘘をつかれて婚姻した交際相手は『精神的損害が発生した』として、相手方に対して不法行為に基づく損害賠償を請求できる可能性があります。もっとも、精神的損害の立証は難しいため、実際に賠償が認められるかどうかは微妙なところです。

 なお、刑法上の詐欺罪やその他の罪に該当する可能性は低いと考えられます。詐欺罪が成立するためには、財産的な利益を得る目的などが必要です。財産を得るために結婚する結婚詐欺などであればともかく、単に『この人が好きだから結婚したい』と考え、嘘をついて結婚する場合には、財産的な利益を得る目的などが認められないと考えられるため、詐欺罪には該当しないと考えられます」(渡部弁護士)

 いずれにせよ、大沢と喜多嶋の長男問題に関しては、いまだに真の父親が判明していないため、まだまだ尾を引きそうな気配である。
(文=編集部、協力=弁護士法人AVANCE LEGAL GROUP LPC・渡部貴之弁護士)