「MarkeZine Day 2015 Autumn」で行われた、fluct小澤昇歩氏による講演

写真拡大 (全4枚)

 こんにちは。新人マーケターのチナツです。前編に引き続き、今回も「MarkeZine Day 2015 Autumn」でのfluct小澤昇歩氏による講演「メディアマネタイズはRTBの次の世界へ。Googleが提供する最先端のプラットフォームを利用したプライベートマーケットプレイスが世界を変える。」で聞いたことを踏まえ、PMP(Private Market Place/プライベートマーケットプレイス)について学んでいこうと思います。

 今回は、いよいよ導入編です。PMPの仕組みを理解したからといってただ導入すれば良いのではありません。講演では、メディアとしてPMP時代に備え、何を心がけるべきかについて触れられていました。

■PMPを始めるにあたりメディアがすべきこと

 そして、小澤氏の講演での肝は次の2点。来るPMP時代に備え、今、メディアがしなければならないことです。

【1】メディアの特徴を整理して、正しくDSPに伝える
【2】適切な値付けをすること

【1】メディアの特徴を整理して、正しくDSPに伝える

 そもそも、まだPMPが浸透する以前の現時点でも、自社メディアの広告枠情報をすべて正しく認識しているメディア担当者は多くないと言います。RTB(Real-Time Bidding/リアルタイムビッディング:リアルタイム入札)に参加するにあたっても、広告主が枠名を見て、どのようなメディアのどこに位置する枠なのかをしっかり記載した名付けをしているメディアも多くはないそうです。

 しかし、PMPは情報が肝になってきます。得体の知れない枠に高い値をつけて出稿しようとする広告主はいません。今一度、枠にどのような名前がついているのか、どうすればDSP(Demand-Side Platform/デマンドサイドプラットフォーム:広告主が効率的に広告出稿するためのプラットフォーム)側に情報伝達されたときに出稿したいと思わせられるかを意識したネーミングを考えてみるべきなのです。

【2】適切な値付けをすること

 PMPでの広告枠の運用をする以上、価格の最適化は避けては通れない道です。そのためには枠の情報を精査して、データを見ながらPDCAを回し、価格の最適解を見つけ出していく必要があると言いいます。そして、その解は変動しますから、運用者はずっと見続けていく必要があるのです。

 問題はSSPの導入方法にあります。広告枠をオープンオークションで運用しているメディアの中には複数のSSP(Supply-Side Platform/サプライサイドプラットフォーム:媒体側が収益の最大化を目的として利用するプラットフォーム)を採用しているメディアも少なくありません。

 しかし、その状態ではデータが分散し、PDCAを回すことが難しくなり、さらに1つのSSPが枠に対して最適に働きかけをすることができるのはそのSSPの枠内のみとなり、PMPにとって必要な「最適解を出す」というゴールとはかけ離れた状況を作り出してしまうのです。

 ですから、正しいプロセスを踏むにはまず、信頼できるSSPと中長期的に付き合っていくことだということです。

■まとめ

 広告配信技術の進歩は目まぐるしく、インターネットの普及に伴ってとてつもない勢いで発展してきました。純広告時代にアドネットワークが登場したとき、アドネットワーク時代にDSP・ SSPが登場したとき、いつもその時代に多くの関係者を悩ませていた問題を解決するために新しい技術が作られてきました。そして今回のPMPもそうです。

 デジタル広告運用はITの領域に属しますが、流れの速いIT業界の中でも随一の速さを誇るのがこの広告分野ではないかと思っています。おそらく1年前と今とでは、広告主・媒体双方で抱えている問題は多かれ少なかれ違ったはずです。モタモタしているとあっという間に置いてきぼりになってしまう、そんな業界です。

 しかし、それもデジタル広告に対する世の中の期待の大きさがそうさせているように思います。例えば、動画広告はテレビCMをリプレイスできるのかという論点もそうした期待が生み出したものではないでしょうか。

 ハード・ソフト双方の技術革新により広告を取り巻く環境はどんどん変化していきます。かつて市場を占有していた従来メディアが成し遂げられなかったことを、デジタル広告は叶える可能性を秘めているなんて考えてみると、なんて夢のある話だろうと思わずにはいられません。

 そして、それを期待に胸膨らませて待っているのではなく、1人のマーケターとして最先端技術に積極的にアプローチし、広告の新しい時代を切り開く担い手にならなければ……。PMPという新しい広告配信の講演を聞きながらそう感じました。