『スーパーダンガンロンパ２ THE STAGE』出演 横浜流星＆鈴木拡樹インタビュー「役の一番の理解者になりたい」
撮影／後藤倫人 取材・文／渡邉千智（スタジオ・ハードデラックス）
ヘア＆メーク／永瀬多壱【横浜】、AKI【鈴木】
「狛枝がゲームから飛び出してきた！ 」
――おふたりは『ダンガンロンパ』という作品はご存知でしたか？
鈴木 僕はタイトルと、モノクマというキャラクターがいることぐらいしか知らなくて。
横浜 僕も、前作の舞台が『ダンガンロンパ』を知ったキッカケでした。
――前作では、横浜さんの事務所の先輩である本郷奏多さんが主演でしたね。
横浜 そのときは、作品について何も知らない状況でしたけど、本郷さんの舞台を観て、『ダンガンロンパ』の世界観に引き込まれたんです。
鈴木 推理モノだけど、意外とポップだったりして独特な世界観だよね。
横浜 はい。だからこそ今回の舞台では、当時の僕のように原作を知らない方を、『ダンガンロンパ』の世界に引き込みたいなと思っています。
――横浜さんが演じるのは、“超高校級の？？？”という謎だらけの主人公・日向創です。
横浜 他のキャラクターがすごく濃いなかで、日向くんは唯一普通の男の子というか。もともと正義感が強くて仲間意識も強い子なのですが、突然始まる“コロシアイ学園生活”を通して、一番成長するキャラクターじゃないかなと思います。
鈴木 主人公なのに謎が多すぎるよね（笑）。でも逆にそれが異彩を放っていて、すごく魅力的だと思います。
――では、鈴木さん演じる“超高校級の希望”狛枝凪斗はいかがでしょうか？
鈴木 狛枝は“希望”に対しての執着が強いのですが、執着が強すぎるゆえに、他の人とはちょっとズレたところもあるキャラクターです。
――狛枝のように、人の感性とズレたところのあるキャラクターって、演じるのがより難しそうですが…。
鈴木 観る方にとっては難しく見えるかもしれませんが、僕にとっては、狛枝の性格ってとてもわかりやすいんです。彼は“希望”のためならなんでもする子なので、“希望”への意思表示もハッキリしていて。キャラクターを作る上での道しるべには乗っかりやすいなと思っています。
横浜 僕はゲームをやってから本読みに臨んだんですけど、本読みをしている拡樹くんを見て、「狛枝がゲームの中から出てきた！」と思いました。
鈴木 本当？ ありがとう（笑）。
テンポとスピード感がカギ！
――本読みの段階でキャラクターを作られていったんでしょうか？
鈴木 コミックスやキャラクターの資料は見たのですが、まだゲームはやっていなかったので…。
横浜 ゲームをやっていない段階でも、ゲームの中の狛枝の印象そのままだったので本当にスゴいですよね。僕も負けられないなって思いました。
――以前、鈴木さんは役作りについて、「ひたすら演じるキャラクターのことを考える」とお話されていましたよね。
鈴木 そうですね。どんな役を演じるときも、僕が役の一番の理解者になるというのが目標で、ひたすら狛枝について考えています。
横浜 僕もすごく考え込むタイプです。日向くんは、僕とはまったく性格が違うというか、僕にはないものを持っている子なのですごく難しいんですが、台本を読み込んで日向くんを理解しようって思います。
――『ダンガンロンパ』といえば、キャラクター同士の絶妙な台詞の掛け合いが魅力ですよね。
鈴木 テンポが良く、スリリングな展開の中にコミカルな部分があるからこそ面白い作品なので、相手の言葉や感情を受け取るという作業をちゃんとしておく必要があるのかなと。そうでないと、『ダンガンロンパ』の持ち味であるスピード感は生まれないと思うんですよね。
横浜 言葉の掛け合いは本当に速いです。
鈴木 やはり、“ダンガン（弾丸）ロンパ（論破）”ですから！ 観てくれる方をいかに、テンポ感や掛け合いでワクワクさせるかというのは大切だと思います。
――しかし、演じる側にとってはとても高度な芝居が求められますよね…。
鈴木 それこそ、日向くんなんて一番大変なんじゃない？ 周りのキャラクターから、言葉の弾丸を浴びせられ続けて…。
横浜 僕はわりと台詞をすぐに暗記できるタイプなんですが、実は、今回はけっこう苦戦しています…。
鈴木 日向くんは他のキャラよりも一歩先の思考回路じゃないといけないしね。
横浜 そうなんですよ！ 常に頭をフル回転させています（笑）。
鈴木 立て続けに起こる事件の波を上手く利用して、最後までテンションが突き抜けるような作品にしたいですね。