「おバカキャラ」が愛され、求められ続けるのは何故なのか

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お茶の間を賑わせる活躍中のタレント、藤田ニコルさん、鈴木奈々さん、川栄李奈さん……。彼女たちはいわゆる「おバカキャラ」と呼ばれることが多くあります。テレビのバラエティでは、教科書とは真逆の不思議なことを口走り、私たちを楽しませてくれます。

彼女たちは何とも言えない親しみやすさを漂わせて、見ていると何だか安心するような気持ちにさせられますね。

どの時代にも、時代を代表するような「おバカキャラ」のタレントさんは必ずいました。私たちは本能的におバカキャラを求めているのかもしれません。私たちはなぜおバカキャラを求めるのでしょうか。臨床心理士で神奈川大学教授の杉山崇さんにおバカキャラが愛される理由を聞いてみました。

おバカキャラは視聴者に「安心感」と「自信」をくれる


愛される理由は安心感を与えてくれるところにあると思います。私たちは「正解」以外は許されない社会に生きています。間違えない人間はいないので、日々「やってしまった…」と自尊心を損ねる体験を重ねているのではないでしょうか。人はいいことよりも、悪いことをより印象的に憶えるように作られているので、本当は誰もが自信を失う出来事に悩まされているのです。

そんな時に、間違いを繰り返しては暖かく突っ込んでもらえて許されるおバカキャラの存在に救われます。「ああ、これでもいいんだ…」とおバカキャラのおバカを許すことで、自分自身を許せる気持ちにもなれるのです。

間違えるべきところ「だけ」正しく間違えるおバカキャラ


似たような存在感は小さい子どもにもあります。子どもが変な言い間違いをすると妙にかわいくて「ほっこり」しますよね。ただ、本当の子どもは間違えてはいけないところも間違えてしまうので、タレントとして使うのは難しいです。おバカキャラのタレントさんは「間違えて欲しいところだけ、上手に間違えてくれる」のです。なので、人気のおバカキャラの方は制作の現場でも愛されているのではないでしょうか。

いずれにしても、おバカキャラのみなさんのおかげで、私たちは安心感と自信をいただいています。彼女らの存在に感謝してもいいのかもしれません。

<執筆者プロフィール>
杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長、教育支援センター副所長。臨床心理士、一級キャリアコンサルティング技能士、公益社団法人日本心理学会代議員。