4-3-3の頂点に位置した鎌田。前線3人のコンビネーションはまずまずのものだった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 神奈川キャンプの最終日に行なわれた湘南との練習試合は1-1のドローに終わった。選手は口々に「そこまで悪くなかった」と振り返ったが、ベストメンバーから程遠く、通常の3バックではない4-2-3-1で戦った湘南を相手に勝ち切れず。来年1月のリオ五輪最終予選へ不安が増長したゲームと言えた。

【写真】U-22日本代表 1-1 湘南
 
 それでも少ないが収穫はあった。そのひとつが60分過ぎから採用した4-3-3システムだ。この日、前線で「3」を務めたのは左から中島、鎌田、伊東純の3人。64分には中島のロングパスに伊東純が走り込みCKを獲得し、76分には鎌田のパスを受けた伊東純が右サイドを突破してポスト直撃のシュートを放った。
 
 なかなかリズムを掴めなかった日本に活力を与えたのは、まぎれもなく3人のコンビネーションだった。手倉森監督も手応えを語る。
 
「久ぶりにやりましたが、どちらの顔も出せるなと(スタートは4-2-3-1)。相手に合わせて間延びをしてしまったなかで、4-3-3は守備時に4-5-1になるので、(後半は)距離感は良くなった。(前線へ)出て行く距離は長くなったが、蹴ってから裏を取る回数は増えた。新しいオプションになりました」
 
 湘南戦では「前線から行くのか、リトリートして守るのかあやふやになった時があった」(岩波)と、プレスが上手くはまらず、後手に回る回数が多かった。
 
 そういう状況で、4-3-3は両サイドを下げて守備を固めやすく、攻撃面では奪ったらスピードのある両ウイングを走らせるという割り切った戦いができるようになる。さらに、トップを務める選手には高いキープ力が求められるが、本来はMFの鎌田であれば確かな技術で味方の攻め上がる時間を作れ、「高さもある」(手倉森監督)点もプラスとなる。
 
 終盤に中島に代わり左サイドに入った鈴木が豪快なミドルを決めるなど、鈴木のサイド起用に可能性を見出せられた点も大きいだろう。
 
 思い返せば、10年の南アフリカワールドカップでは、日本は大会直前に阿部をアンカー、本田を最前線に置く4-3-3に変更し、ベスト16進出を勝ち取った。状況や選手のタイプは違うが、この新たなオプションが先輩たちのようにチームを大きく後押ししてくれれば、最終予選へ一筋の光が見えてくるはずだ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)