頭皮を傷つけていませんか? 頭皮をすこやかに保つお手入れとシャンプーの選び方

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「頭皮が固いと髪によくない」。そんなウワサを気にして頭皮をマッサージしている人もいるのでは? でも実はこれ、科学的根拠がないそう。

「頭皮ケアのしすぎで抜け毛が増える女性は少なくありません」と話すのは、AACクリニック銀座院長の浜中聡子さん。正しい頭皮ケアのポイントを教えてもらった。

頭皮のお手入れは、顔と同じようにやさしく丁寧に行うのが正解。シャンプーのときも、ゴシゴシこすらないように気を付けるべきとか。

「頭皮マッサージは、気持ちいい程度であればリラクゼーション効果が得られるので問題ありませんが、強い刺激は頭皮を傷つけてしまいます」(同)

“痛いほうがいい”というのは誤解で、髪や頭皮の健康にはマイナスなので注意。また、自分の頭皮に合ったシャンプーを選ぶことも大切とか。

「評判のいいシャンプーでも、頭皮がべたつく、かさつく、つっぱる、かゆみやフケが出るなどの不調を感じたら、自分には合っていないと判断しましょう」(同)

そんな場合は、容器に記載されている成分をチェックして、“合わない”と感じたシャンプーとは違う成分をメインにしたタイプを選んで。シャンプー剤は、洗浄成分の種類によって、次の3つに大別されるそう。
◆高級アルコール系

市販品の多くがこのタイプ。よく泡立ち、洗浄力も脱脂力も強い一方、頭皮への刺激はやや高め。頭皮がオイリーな人に向いていて、肌が弱い人は避けた方がベター。おもな洗浄成分の名称は、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、硫酸アンモニウムなど。

◆アミノ酸系

髪や頭皮にやさしいけれど、その分、洗浄力もマイルドなので、時間をかけて丁寧に洗う必要がある。頭皮が乾燥ぎみの人や肌が弱い人におすすめ。おもな洗浄成分の名称は、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ココイルグリシンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウムなど。

◆せっけん系

毛穴の汚れまでしっかり落とす高い洗浄力が特徴。せっけんかすが残らないよう、しっかりすすぐのが上手に付き合うコツ。頭皮がオイリーな人や頭皮が健康な人向き。髪がきしみやすいのでロングヘアの人は使いにくいかも。おもな洗浄成分の名称は、せっけん素地、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウムなど。

ちなみに健康な頭皮の状態とは、適度に皮脂の分泌があり、地肌の色が青白いそう。ヘアケアの基本は、髪の土台である頭皮から。美しい髪を保つためにも、自分の頭皮に合うシャンプーを選んで。

浜中聡子
医学博士。AACクリニック銀座(中央区銀座)院長。北里大学医学部卒業。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医、米国先端医療学会専門医。心身両面からのケアで「ウェルエイジング」を提唱。著書に『女性のための“頭髪外来”〜髪・からだ・こころに効くトータルセラピー』(扶桑社)などがある。