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東京工業大学は11月26日、電子濃度の異なる12CaO・7Al2O3(C12A7)エレクトライド触媒を用いてアンモニア合成活性を詳細に調べたところ、C12A7エレクトライドが絶縁体から金属に変化する際に、触媒活性および反応メカニズムが劇的に変化することを発見したと発表した。

同成果は、同大学応用セラミックス研究所 細野秀雄 教授と原亨和 教授、北野政明 准教授らの研究グループによるもので、10月24日付けの米科学誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン速報版に掲載された。

同触媒は、細野教授らが2003年に開発したC12A7エレクトライドの表面にナノサイズのルテニウムの微粒子を担持させたものであり、電子濃度によって絶縁体から金属へと転移することが知られていた。

今回の研究では、同触媒を用いてアンモニア合成活性を詳細に調べた。その結果、C12A7エレクトライドの電子濃度が1.0× 1021cm-3以下の場合は、触媒活性および活性化エネルギーともに既存の触媒とほぼ同じであるが、電子濃度が1.0× 1021cm-3以上になると、触媒活性は電子濃度が低い場合よりも10倍程度高い値を示し、活性化エネルギーは約半分にまで低下することがわかった。

また、ルテニウム触媒を用いたアンモニア合成は一般的に、吸着した水素でルテニウム表面が覆われることにより、窒素の吸着が阻害される「水素被毒」が起こるため、水素の圧力が増加するにつれて反応速度が低下するが、C12A7エレクトライド触媒では、電子濃度が1.0× 1021cm-3以上になると水素被毒されず、水素圧力の増加に伴い触媒活性が向上したという。

同大学は、今回の成果によりアンモニア合成プロセスの省エネルギー化に向けた触媒開発の有力な手がかりが得られたとしている。