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大阪市立大学はこのほど、魚が顔の模様の違いで他個体を識別することを実証したと発表した。

同成果は同大大学院理学研究科の幸田正典教授の研究グループによるもので、11月26日に米科学誌「PLOS ONE」のオンライン版に掲載された。

魚類にも相手を視覚で識別している種類がいることは知られていたが、相手のどこを見て識別しているのかはわかっていなかった。

今回の研究では、個体ごとに異なる顔の模様をもち、相手を視覚で識別するタンガニイカ湖のカワスズメの一種「プルチャー」を用いた検証実験を実施した。「プルチャー」は縄張りをもち、隣の顔見知りには寛容だが、知らない相手には非常に攻撃的になる。

実験では、モニター画面上の隣人と他人の画像を水槽越しに見せたところ、実験個体は隣人モデルはあまり警戒しなかったが、他人モデルは長時間警戒し、モニター画像でも隣人と他人を区別できることがわかった。次に、隣人の顔画像を他人の全身画像に貼ったモデルと、他人の顔画像を隣人の全身画像に貼ったモデルを作成して見せたところ、隣人顔のモデルでは警戒時間が短く、他人顔のモデルでは警戒時間が長かったことから、「プルチャー」が相手の顔の模様の違いを見分けて個体を識別していることが示された。さらに、およそ0.5秒で峻別できることもわかり、同研究グループはこれらの結果から同種の顔認識能力はヒトにも劣らないものであるとしている。

また、同研究グループは同じ個体が何度も出会い個体識別能力をもつとされる魚種の顔には個体ごとの独特の模様が見られ、同じ個体が繰り返し出会わず個体識別が必要ない魚種には顔模様が見られないことを発見し、このことから視覚で個体識別する魚種の多くは顔の模様で識別していることが示唆された。