ハンズフリーでも運転中のスマホは危ない! (shutterstock.com)

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 「歩きスマホ」の危険性については、本サイトでもお伝えしてきたが(2015年1月27日)、「歩きスマホ人」は、ますます増加しているようである。この11月には、JR東日本が「スマホの『ながら歩き』防止キャンペーン」を展開して話題になった。最近は、テレビのキャスターが罰金を課したらどうかという強硬な発言をして物議をかもしている。すでに、お隣中国では、スマホ専用歩道も登場しているという。

 ところで、移動はもっぱら自動車を運転して、という人も多いだろう。両手がふさがっている運転中に、言葉でスマホ操作ができる、ボイスコマンドをご存知だろうか。

手を使わず、声だけて操作できるボイスコマンド

 何かを検索するときに、文字を打ち込まなくてもスマホに向かって検索したい言葉を話すという機能を使ったことがあるだろうか。ボイスコマンドは、検索だけでなく、「○○君に電話をかけて」とか「夕べのサッカーの試合の結果は?」とか、「メールのメッセージ読んで」のように、スマホに入っているアプリを、言葉で命令できる機能だ。まさに、運転中にうってつけである。

 また、カーナビや燃費情報を、音声で操作できる機能を備え付けた自動車もすでに市販されている。このようにスマホや自動車に備え付けられた、音声で操作できる機能がボイスコマンドだ。

 しかし最近、アメリカ自動車協会(AAA)が、気になる調査結果を発表した。ハンズフリーのボイスコマンドであっても、自動車の運転中に使用すると注意力の低下を招くというのである。

運転中に危険をもたらすレベル2以上の注意力低下

 今回の調査は、自動車に組み込まれたボイスコマンドと、スマホに搭載された「Siri」「Google Now」「Cortana」の3つのボイスコマンドシステムを対象に行われた。

 調査ではあらかじめ、運転中に起こる注意力の低下を5つの動作レベルで分けている。

【レベル1】ラジオやオーディオブックを聞くのと同じ注意力の低下。
【レベル2】電話で話すのと同じ注意力の低下。
【レベル3】音声入力によるテキストメッセージをエラーのない完全なシステムで送信するのと同じ注意力の低下。
【レベル4】ソーシャルメディアの更新と同じ注意力の低下。
【レベル5】計算問題や記憶力問題が出されるOSPAN(The Operation Span Test)タスクの実行と同じ注意力の低下。

 そして、運転中に危険性をもたらす注意力低下であるのはレベル2以上としている。

 まず自動車に組み込まれたボイスコマンドシステムの調査結果を見ると、最も優秀だった2社、Chevy EquinoxとBuick Lacrosseでも2.4であり、最も注意力を低下させたMazda6は4.6だった。スマホのシステムでは、最も優秀だったGoogle Nowでも3.0、Siriは3.4、Cortanaは3.8だった。

 現在のボイスコマンドシステムは、運転中に使用すると、どれも危険性があるほどに注意力を低下させるが、スマホシステムのほうがより危険性が高いことがわかった。

 いずれ改良されて、ラジオを聴くように、ボイスコマンド操作が簡単に行える日もくるだろうが、今のところ運転中のスマホ操作はたとえハンズフリーであっても控えたほうがいいようだ。
(文=編集部)