NASA、『エイリアンの巨大建造物』は、彗星群の通過による現象の可能性を発表。スピッツァー宇宙望遠鏡の観測から

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NASAが、1481光年先にある連星 KIC 9462852 の不自然な減光現象について、複数の彗星が光を遮った可能性が高いと発表しました。この減光現象は通常よりも最大で22%暗くなったとして、天文学者が触れた「地球外文明の巨大建造物」ではないかとする説が話題となっていました。

 ケプラー宇宙望遠鏡での観測により KIC 9462852 の明るさが不自然に変わっている現象が発見されたのは9月のこと。このとき、可能性のひとつとしてイェール大学とペンシルバニア州立大学の天文学者らが数ある可能性の中から極端な例としてあげたのが、『ダイソン球』なのではないかという説。

ダイソン球とは恒星の周囲に巨大な構造物をめぐらせ、光や熱をエネルギーとして吸収、利用するというもの。高度に発達した宇宙文明によって実現している可能性があるとして『新スタートレック』をはじめとする SF 作品にも描かれています。



KIC 8462852 は太陽よりも大きく明るい F 型の主系列星(KIC 8462852A)と、その伴星で赤色矮星の KIC 846285B からなる連星です。このうち不自然な減光が確認されたのは"A"のほう。しかしこの星の場合、たとえ木星クラスの惑星が前を横切ったとしても、観測で確認された最大22%もの減光は考えられません。

NASAは当初より、もっとも可能性が高いとしていくつもの惑星や小惑星が光を遮っているのではと予測、または周囲から引き寄せられた複数の彗星が存在するのではないかとする説をあげていました。そしてスピッツァー宇宙望遠鏡で観測した結果、予想外に多い彗星の群れが、減光現象に関係している可能性が高まったとしています。

ケプラー宇宙望遠鏡で観測された減光現象は可視光についてのものでした。もしも KIC 8462852 の光を惑星や小惑星、またはそれらの衝突の残骸などが遮っているのなら、そこに強い赤外線の反応がみられるはずです。ところが赤外線観測が可能なスピッツァー宇宙望遠を使った観測では正常レベルの赤外線しかみられませんでした。

もう一つの可能性は彗星群が光を遮ったとする説です。ケプラー宇宙望遠鏡は2011年に非常に大きな彗星が星の光を遮る現象を観測していました。そして2013年になってその彗星の破片が本体を追いかけるかのように通過していきました。そして、それらの彗星群の通過の際は、赤外線の変動はほとんどありませんでした。NASAはこうした事実からもKIC 8462852 彗星群である可能性が最も高いとしています。
 
かつて、光量やX線量、発する電波が周期的に変動する星が見つかった時も、地球外文明からのシグナルかと騒がれたことがありました。それは現在ではパルサーとして知られます。

KIC 846285 の減光現象は当初から彗星の群れという説が濃厚でした。地球外文明の巨大建造物とする話はその突飛さから多くのメディアにとりあげられる格好となりました。地球外の知的生命を探す SETI は、実際は多くの人が思うとおり何らかの自然現象だろうとしながらも、可能性がある以上はさらに調査を続けるとしています。