原美術館で「佐藤雅晴―東京尾行」展を開催 - 実写をトレースしたアニメーション作品

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原美術館は、キュレーターの育成や若手作家の支援を目的に開催する不定期のプロジェクト「ハラドキュメンツ」の第10弾として「佐藤雅晴―東京尾行」展を開催。期間は2016年1月23日(土)から5月8日(日)まで。

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佐藤雅晴の作品は、パソコンソフトのペンツールを用いて実写をトレースしたアニメーションによるもの。人それぞれに多様な感情や感覚を呼び起こし、見ることや認識することの奥深さと豊かさを教えてくれる。本展では、佐藤雅晴がトレースを極めて日本で注目されるまでに至った変遷を、12の映像で構成される新作や平面作品数点などにより辿る。

彼が日本で注目されるきっかけとなった『Calling』はドイツ編と日本編の2つの構成からなる。ドイツ編では、10年もの間デュッセルドルフで過ごしながらも居場所を見いだせなかった佐藤が、その土地を理解し関係を築こうをしていた様子がうかがえる。また、日本編は彼がドイツから日本に帰国した直後に遭った東日本大震災、自身の家族を続けざまに襲った病魔との闘いを経て生まれたもの。自身の不安だけでなく、人の消えた街、見捨てられた街での孤独感が感じられる。

トレース=尾行という新たな認識の下、制作された最新作の『東京尾行』は、彼が2015年に東京中を歩き回り撮影した映像を基にしたアニメーション。国会議事堂、工事現場の油圧ショベル、歩道橋を渡る人、アイスクリーム、路地裏の猫など、彼が尾行した東京の象徴的な場所や何気ない光景や気配を描いている。

【開催概要】
ハラドキュメンツ10 佐藤雅晴―東京尾行
開催期間:2016年1月23日(土)〜5月8日(日)
開催場所:原美術館 ギャラリーI、II
住所:東京都品川区北品川4-7-25
TEL:03-3445-0651(代表)
開館時間:11:00〜17:00
※祝日を除く水曜は20:00まで、入館は閉館時刻の30分前まで。
休館日:月曜日、2016年3月22日(火)
※祝日にあたる2016年3月21日は開館。
入館料:一般 1,100円、大高生 700円、小中生 500円
※原美術館メンバーは無料。
※学期中の土曜日は小中高生の入館無料。
※20名以上の団体は1人100円引。
アクセス:交通案内 JR「品川駅」高輪口より徒歩15分/タクシー5分/都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車 徒歩3分/京急線「北品川駅」より徒歩8分
※会期中、原美術館ギャラリーIII、IV、Vにて「原美術館コレクション展:トレース」を併催。
※関連イベント 「Meet the Artist 佐藤雅晴」を開催予定。後日原美術館WEBサイトにて告知。