「再利用可能な宇宙船」が着陸テストに成功(動画あり)

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アマゾン創立者のジェフ・ベゾスが設立したブルーオリジンは、宇宙船を高度100kmまで上昇、その後無事に着陸させることに成功した。スペースXの「ファルコン9」との違いも解説する。

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アマゾンの創立者であるジェフ・ベゾスが設立した民間航空宇宙会社のブルーオリジンが、「歴史に残る」試験飛行を完了した。宇宙船を宇宙空間に送り込み、その後、地球への着陸を成功させたのだ。

YouTube」に公開された動画では、宇宙船「ニューシェパード」(New Shepard)が、宇宙空間とみなされる高度100kmを超える高さまで到達したあと、降下してテキサス西部の発射場に戻る様子が示されている(宇宙旅行の乗客が乗ることになるカプセルは、4分程度の無重力体験を楽しんだあと、パラシュートを使って別個に着陸する。今回の実験では、クルーカプセルの回収に加え、打ち上げ機の垂直離着陸も達成した)。

打ち上げ機はマッハ3.7以上まで加速したが、着陸時の速度はわずか時速約7.1kmだった。

ベゾス氏は、ニューシェパードの制御方法について、ブログで次のように説明している。「当社独自のリングフィンによって、圧力の中心が船尾側に移動するため、大気圏への再突入と降下を制御しやすくなります。8機の大型ドラッグブレーキが動作して、打ち上げ機の最終速度を時速約623kmまで減速します」

「時速約192kmという高高度の横風のなかで、油圧で作動するフィンが打ち上げ機を操縦し、発射地点から約1,500m上空の位置に正確に合わせます。そして、着陸脚が出た時点で、高度な出力調整が可能なBE-3エンジンを再点火して逆噴射し、打ち上げ機は最後の約300mを、時速約7.1kmで降下して発射地点に着陸します」

ロケットの再利用には、イーロン・マスクが設立したスペースXをはじめとする複数企業が取り組んでいる。スペースXでは、国際宇宙ステーションへの物資輸送に利用されている「ファルコン9」ロケットを、打ち上げのあと、海上に浮かべたプラットフォームに着地させることを目標にしている。

スペースXはこれまで、実験機「グラスホッパー」(Grasshopper)を数回にわたり、打ち上げてから着陸させることに成功しているが、この実験機は700mを少し超える高度までしか飛行していない。

グラスホッパーをもとに開発されたファルコン9は、2014年4月、上空1,000mまでの飛行を達成してから無事に帰還した。しかし、ISSヘの打ち上げ後の海上プラットフォームへの着地には失敗を続けており(日本語版記事)、2015年6月には爆発して失敗したことが大きく報道された(日本語版記事)。

スペースXのマスクCEOはTwitter上でベゾス氏を祝福したが、ISSの軌道(約400km上空)まで飛ばすロケットと、それ以下の高度でよいロケットでは、速度が格段に異なることを指摘している(文末のツイート。なお、ブルーオリジンは、高度100kmへの商業弾道飛行を目指している)。

これまでにいくつかの宇宙船が、再利用可能であることを証明している。最も有名なのは、2011年に引退した米航空宇宙局(NASA)の「スペースシャトル」だ(シャトルは、当初は通常のロケットより一回あたりの飛行コストを安くできるという見込みで計画がスタートしたが、実際の運用で発生した事故に対する安全対策により、当初の予想より保守費用が大きくなっていき、使い捨てロケットよりもかえって高くつくものになっていた)。

Congrats to Jeff Bezos and the BO team for achieving VTOL on their booster

― Elon Musk (@elonmusk) 2015, 11月 24

Getting to space needs ~Mach 3, but GTO orbit requires ~Mach 30. The energy needed is the square, i.e. 9 units for space and 900 for orbit.

― Elon Musk (@elonmusk) 2015, 11月 24

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