副業はできなくなる? 巷でウワサの「マイナンバー」制度と「お金」の話

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◆今回のお悩み

相談者:ひらたさん
「アンケートサイトでポイントをためて換金したり、着なくなった洋服をフリマアプリで売ったりして、おこづかい稼ぎをしています。でも、マイナンバー制度がはじまると副業ができなくなる、と聞いて心配に。これらも副業に入るのでしょうか」

編集部 テレビなどでも話題となっている「マイナンバー制度」。2015年10月から、住民票がある人に対してマイナンバーの交付がはじまり、いろいろと動きがあるのはわかるのですが、そもそもどういう制度なのでしょうか。マイナンバーがはじまることで「お金」に関連してくることはあるのでしょうか?

風呂内亜矢(以下、風呂内) 「マイナンバー制度」は、住民票を持つすべての国民に12ケタの番号を割り振り、税金や社会保障、災害対策の行政手続きに利用するというもの。といっても、現在は、「マイナンバー」が一人ひとりに割り振られて、番号の通知カードが順次発送されている段階です。

実際の本格的な利用開始は、2016年1月からですが、ひらたさんのような会社員の場合は、税や社会保険の手続きは勤務先が代行することが多いので、勤務先から自身の「マイナンバー」の提示を求められることがあるくらい。それ以外で、すぐに関係してくることはないでしょう。

編集部 なるほど。ではマイナンバー制度がはじまったからといって、特に身構える必要はなさそうです。ただ、気になる点として、ひらたさんのお悩みにもあるように、「マイナンバー制度」がはじまると、「副業ができなくなる」と言われています。一体なぜなのでしょうか。

風呂内 「マイナンバー制度」の目的のひとつは、個人の収入とその支払い先を、税務署が正確に把握すること。ですから、これまで副業で多くの収入を得ていたり、勤務先以外から給与を得ていたりするのにも関わらず、税の申告を怠っていた人は、「マイナンバー制度」の導入をきっかけに、それが発覚する可能性が高くなるかもしれません。が、それらは、そもそも不正です。勤務先の給与以外で何らかの収入があっても、正しく税の申告をこれまできちんと行なっていたのであれば、「マイナンバー制度」が導入されたからといって、特に変わることはありません。

そもそも副業を禁止したり制限したりしている会社は多いもの。その点に注意を払わずに、就業規則に違反する副業収入を得ている場合も、「マイナンバー制度」に関係なく問題です。心あたりのある人や、心配な人は、この機会に、会社の就業規則に違反していないか確認したほうがいいでしょう。

編集部 大前提として会社の就業規則はきっちり守るとして、フリーマーケットで不要になった洋服などを出品したり、ポイントサイトでおこづかい稼ぎをしている場合も、副業にあたるのでしょうか。ひらたさんの場合、これらが副業にあたるかどうかを心配しています。

風呂内 プライベートな時間を使って、アンケートサイトやフリマアプリでおこづかい稼ぎをしている程度なら、会社の就業規則上も税制上も、おそらく問題になることはないでしょう。

ただし、その収入が多い場合は注意が必要です。例えば、アンケートサイトからの収入は、所得税法上「雑所得」となります。ひらたさんのような会社員の場合、通常は勤務先の年末調整で給与所得に関する税の手続きは終わりますが、給与所得以外の「雑所得」があった場合、経費を除いたその金額(実質的な収入)が年間20万円以上なら、自分で確定申告を行なう必要があります。

また、フリマアプリでの収入は、所得税法上「生活用動産の譲渡所得」というものにあたります。これは基本的には非課税ですが、1点(1組)30万円を超えるものを出品して収入を得る場合は課税の対象となります。

もし、どちらか該当しそうなら、入金のあった通帳の記録をきちんと残しておくなどして、確定申告を行う必要があります。マイナンバー制度が本格的にスタートする平成28年分以降の収入については、そうした照合がしやすくなる可能性が高いといえますね。

編集部  会社の就業規則に違反していたり、税の申告を怠っていたり、ということがなければ、「マイナンバー制度」がはじまったからといって副業についてそこまで心配することはないということですね。

風呂内 そうですね。「マイナンバー制度」は、行政手続きを効率化してそのコストを下げ、税をより効果的に使おうというもので、うまく運用されれば、私たちにもメリットが大きい制度です。過剰に不安がる必要はありません。

ただ、導入にあたり、行政のミスでマイナンバーの流出があったり、制度への不安を逆手にとってお金をだまし取る「マイナンバー詐欺」が発生したりといったトラブルも起こっています。「マイナンバー」は、流出すること以上に悪用されることが危険です。まずは自分の「マイナンバー」をしっかり把握しておくことが、トラブルを未然に防ぐ第一歩です。

電話で「マイナンバー」を聞かれたり、お金を請求されるなどといったことはありません。もしそうした電話があった場合は、国や市区町村に設けられている「マイナンバーコールセンター」に確認するようにしましょう。

編集部 今後どのように運用されるのかを理解して、マイナンバー制度の利用開始に備えたいですね。

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◆ひらたさんプロフィール
生保・損保企業で事務職の正社員として働く、社会人6年目の28歳。東京在住で親と同居している。手取り年収は約280万円、手取り月収は約18万円。会社の財形貯蓄に毎月3万円回しており、現在の自分名義の貯蓄額は300万円以上〜400万円未満と堅実。しかし、月々の支出合計は18万9,000円と手取り月収をややオーバー。化粧品のパッケージ買いを頻繁にするだけでなく、“こだわり出費”として月1回のネイルとヘッドスパ代に1万5,000円を費やすなど、多めの出費も目立つ傾向に。月々の貯蓄額をもう少し増やしたい、賢くお金を管理したい、と思ってはいるものの、どうしたらいいかわからず、悩んでいる。また、実家から出てみたいとも思っているが、引っ越し費用で貯金が減るのがイヤで、行動に移せないでいる。最近のマイブームは、女性アイドルのコンサートに行くこと。

(ヤマダケイコ/六識)