24日は、前日にJ2の千葉戦にフル出場したためリカバリーのみ。25日の2部練習、そして最終日に予定されている湘南との練習試合で全力でアピールするつもりだ。 (C)SOCCER DIGEST

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 高橋がU-22日本代表候補に呼ばれたのは、約1年8か月ぶり。京都に在籍していた14年3月の東京合宿以来となる。今回の神奈川キャンプへの招集は、手倉森監督の「SBにフィジカルが強く、背の高い選手がほしい」という狙いが反映されたもの。本職はCBだが、今季期限付き移籍した讃岐でSBとして新境地を開拓したからこそ、舞い込んだ吉報だ。思いがけない展開に驚きつつも、高橋は残された短い時間のなかでなにをしなければいけないかを、必死に探っていた。
 
「この段階で呼ばれるイコール、今まで全然アピールができなかったということ。選ばれなかった期間は良いプレーができていなかったと思うし、とにかく上手くなることだけを考えて毎日を過ごしていました。こうして、活躍した時に呼んでもらって、短期間でどうアピールするか。まずは戦術をしっかり理解しなければいけないと思います」
 
 今回の合宿参加の反響は、思いのほか大きかった。讃岐のある香川県は、一昨年にJクラブ(カマタマーレ讃岐)が誕生したばかりで、サッカーの認知度や盛り上がりに関してまだ発展途上にある。そんななか、クラブとして初の代表候補戦士の誕生に、多くのサポーターが喜んでくれたという。その光景が、「これは頑張らなアカンな」と高橋に一層気を引き締めさせた。
 
 讃岐でのこの1年間で、いちサッカー選手として試合に出続けられることの喜びを噛み締めた。そのなかで、高橋が最も成長したのは1対1だ。元日本代表選手の上村健一コーチから「守備の人間(DF)なら、しっかりとした守備ができないといけない」と諭された。
 
 加えて、讃岐はまずは守備から入る、堅守速攻のチーム。ある意味、守備を“やらざるを得ない”状況に身を置き、それまでは避けがちだった1対1を楽しむようになった。今では、「(今回の合宿では)1対1の強さやボール奪取の部分をアピールしたい」と語るほどである。
 
 1年8か月の“ブランク”の間も、U-22代表チームの動きは常に追っていた。今年7月のコスタリカ戦もテレビで観戦。「チーム全体は流動的な動きをしていて、後ろのパス回しはシンプルな感じがあった」とイメージはできている。前日にJ2の公式戦に出場したため、24日の練習はリカバリーのみにとどまったが、「練習をやってみて、いろいろ掴みたい」と意欲を燃やす。
 
 3年前、武者修行に出たオーストラリアで、練習から気迫のこもったプレーをし、選手全員がハングリー精神に満ち溢れていることに感銘を受けた。高橋自身、かつては家庭が貧しく、サッカーも父親の喜ぶ顔が見たいという一心で始めた。

「ハングリー精神は鍛えられていると思います」
 
 SBとCBどちらで勝負したいか、と訊かれると、「ライバルは多いけど、チャレンジャーの気持ちを持って(本職の)CBで勝負したい」と言い切るあたりは、ハングリー精神の表われでもあるだろう。
 
「アジア最終予選にはすごいアドバンテージになるものだなとイメージしている」

 そんな手倉森監督の期待に応えられるのか。26日に予定されている湘南との練習試合でのアピールに期待したい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

PROFILE
たかはし・ゆうじ/1993年4月11日生まれ、滋賀県出身。185センチ・78キロ。京都紫光SC―京都U-15―京都U-18―京都―ブリスベン・ロアー(AUS)―京都―讃岐。今季通算32試合・1得点、J2通算33試合・1得点(J2・42節終了時)。高さと速さ、ビルドアップ力を完備。プロ3年目には出場機会を求めてオーストラリアに武者修行に出るなど、ハングリー精神に満ち溢れている。ふたりの姉(高橋メアリージュン、高橋ユウ)はいずれもトップファッションモデルだ。