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米ベリタステクノロジース(ベリタス)は11月17日から2日間、中国マカオ特別行政区において、日本を含むアジア太平洋地域(APJ)の顧客を対象にした「Partner Link Conference」を開催した。2005年の米国シマンテックによる買収から約10年、ベリタスは2014年10月にシマンテックとの事業分社化を発表しており、2016年1月より非上場企業となる。

冒頭、登壇したAPJチャンネルリーダーのジョージ・ウォン(George Wong)氏は、「2016年、われわれは26億ドル規模のスタートアップ企業として船出する。バックアップ市場と情報管理市場に対し、『集中』と『選択』でパートナーと共に顧客のビジネスを支援する」と語り、"新生ベリタス"の誕生を強調した。

ウォン氏は、ベリタスに対する投資の96.5%が同社パートナーからのものであること、さらに、ベリタスが年間売上げの4.5%をパートナー企業に投資していることを明らかにした。そのうえで、「分社後もパートナーおよびディストリビュータとの強固なパートナーシップは継続していく」と語り、分社によるビジネス規模の縮小や顧客数の減少といった懸念の払拭に努めた。

ベリタス製品は、日本を含むアジア太平洋地域(APJ)において95%以上がパートナーおよびディストリビューター経由で販売されている。同社の主力製品である「NetBackup」や「Data Insight」は、シマンテックによる買収前から多くの企業で導入されており、今回の分社化によるネガティブな影響は少ないと見る向きは多い。

グローバルチャネル責任者であるマーク・ナット(Mark Nutt)氏は、「むしろ分社化によって、(ベリタスが)フォーカスしている市場と製品の優位性が明確になった。われわれはグローバルで2万2000のパートナーを擁するが、(シマンテック時代よりも)ビジネスの成長とメリットをお互いが享受できる」と言い切る。

同社は今回のカンファレンスに合わせ、APJの新しいパートナープログラム「ベリタスパートナーフォース」の提供開始を発表した。同プログラムは、APJで情報管理ビジネスを展開するパートナー企業に特化したチャネル・サポート・プログラムで、チャネルへの投資を増強したものだ。

具体的には、「パートナーによる案件登録(製品仕入れ限度額)の引き上げ」「業績促進リベートの仕組みの強化」「プラチナステータス資格要件の簡素化」を行う。特に、パートナーによる年間製品仕入れ限度額は、既存の50万ドルから100万ドルに引き上げる。これにより、パートナーはより高い販売マージンを得られることになる。ナット氏は、「今回のプログラムでパートナーは、ベリタス製品販売による収益を迅速に得ることができる」としている。

さらに同社は、パートナーおよび顧客支援に特化した新組織である「TSS(Technical Sales & Support)」を拡充していく姿勢も明らかにした。同組織には、プリセールスやコンサルタントだけでなく技術者も加わっており、「顧客の情報管理に最適な専門性の高いコンサルティングと環境構築を支援できる」(APJのTSS責任者)としている。

○戦略の柱は情報の「可用性」と「洞察力」

カンファレンスでは製品戦略とコア製品のポートフォリオも紹介された。ベリタスでは「情報の可用性(Availability)」と「情報に対する洞察(Insight)」を注力分野の柱に掲げている。情報の可用性を実現する製品には、バックアップ/リカバリ製品の「NetBackup」や、物理環境と仮想環境で多階層アプリケーションを管理する「Veritas InfoScale」が当てはまる。情報に対する洞察を与える製品としては、非構造化データを可視化する「Data Insight」が挙げられている。

APJ担当営業責任者のクリス・リン(Chris Lin)氏は、「企業が保有するデータ量は加速度的に増加している。米国IDCの調査によると、全世界のデータ量は44ZB(ゼタバイト)に上るが、実際に利用されているのは1.5%に満たない」と指摘。そのうえで、「今、企業がなすべきことは、膨大なデータを分析し、ビジネスに役立つ『情報』にすること。データ量が多ければ多いほど、ビジネスにより多くの価値をもたらすと考えているのであれば、間違いだ。『データ』と『情報』は同じではない」と力説する。

データを価値ある情報に昇華させるためには、ロケーションを問わず簡単にアクセスできる「可用性」と、保存されている情報の内容を把握し、活用状況に応じて情報の価値を判断する「洞察力」が必要であるというのがリン氏の主張だ。

今回登壇したベリタス幹部も、「ビジネスの意志決定を支援できなければ、それは『価値ある情報』とは言えない」と、「洞察力」の重要性を繰り返し強調した。

「データマネジメントとは、データを“保管"することではない。ある企業では保有する非構造データの70%がビジネスで役に立たないデータだったが、その扱いに頭を痛めていた。多くの企業では、こうしたデータも従来の手法でバックアップし、ストレージ管理に多額のコストをかけている。しかし、洞察によってデータの要/不要を判断し、不要なデータを圧縮/削除すれば、ストレージコストを大幅に低減できる」(リン氏)

(鈴木恭子)