相手を怒らせずに納得させる。目上の人の間違いを上手に指摘する3つのコツ

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上司の言っていることが間違っている…そう確信していても、目上の人に反論するのは勇気がいるもの。「相手が理解を示してくれるように間違いを指摘するコツは、『伝わる』ように表現することです」と、人材育成やスキルアップのセミナー講師などとして活躍する新井淳子さんは話す。

最も避けたいのが『正しいことを言えば、伝え方は問題ではない』という考え方。自分の意図をくみ取ってほしいといった考えは、甘えと認識して誤解のないように伝わるように力を尽くして。相手に納得してもらうように間違いを指摘するには、次の3つを守って説明を。
◆1.結論から先に伝えて表現はシンプル&ロジカルに

まず結論を話してから詳細を説明したほうが、相手は内容を把握しやすくなる。さらに詳細を説明する際には、「理由は3つあります。ひとつめは…」というように数字を使うと、話がスムーズに相手の耳に入っていくはず。

◆2.自分の体験や過去のエピソードを交えて反論を

今後の行動や考え方を変えてほしいときは、相手の共感できるように話す必要がある。そのために効果的なのが、話の中に自分の体験や過去のエピソードを盛り込むこと。特に抽象的な話、複雑な話をするときほど、この方法を使うのがおすすめ。

◆3.お客様のポジションで伝える

どんな仕事でも、お客様に価値を提供することが目的なはず。その目的は上司や取引先も同じなので、「お客様の立場で考えてみると」として自分の意見を話すと、相手は自分の意見に個人的な見解から反対されているという印象を持ちにくくなって、冷静に話を聞ける。

それでも、話を聞いて相手が怒り出すことも。そんなときには、まずは黙って相手の話を聞いて、自分の言い方が悪くて相手の気分を害したのか、あるいは、指摘内容が正しく伝わっていないのか…など、怒りの原因がどこにあるのかを見極めて。

「そのうえで『お怒りはごもっともです』と受け止め、自分に非があればすぐに謝罪を、誤解が生じていれば訂正をしましょう。あいまいにしたり、後回しにしたりせずとことんその場で話し合うことが大切です」

相手の間違いが自分や社内の業務に支障をきたすようなら、嫌でも指摘をする必要が。相手の気持ちに気遣いながら、きちんと伝えて。

新井淳子
オフィスフローラン代表。日本プレゼンテーション協会認定講師、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。職場の課題発掘と人材育成、モチベーションアップなどを図るコンサルティングやセミナー開催などを行い、スキルアップのサポート役として多方面で活躍中。