前日に契約満了が発表されたばかりだった。昨年6月に行われた大阪でのトレーニングキャンプ以来、約1年半ぶりに手倉森ジャパンに招集されたDF佐藤和樹(名古屋)は、気持ちを切り替えてトレーニングに取り組んでいた。

 名古屋グランパスの下部組織で育った佐藤は12年にトップチームに昇格。しかし、2年間はリーグ戦での出場はなく、3年目の14年に3試合に出場したものの、今季は1試合の出場にとどまり、23日にはクラブから契約満了が発表された。

 佐藤自身は「1週間ほど前に(契約満了を)言われて、メンタル的にはすごく難しかったです。小4から名古屋で育ってきたので、なかなか寝ることができないくらいショックで相当落ち込みましたし、本当に悔しかった」と当時の心境を明かした。

 クラブでの出場機会はなかなかつかめなかった。しかし、J3リーグに参戦するJ-22では第35節から4試合連続で先発出場を果たすなどアピール。手倉森誠監督も「契約満了になるのは知っていましたが、J3で非常に良くやっていると報告がありました」とJ3でのプレーが今回の招集につながったと話すと、「名古屋で契約満了になりましたが、サッカー選手として満了したわけではない。チャンスを広げられればと思いましたし、彼は可能性のある選手です」と背中を押した。

 契約満了を伝えられてから1週間は切り替えられなかったという佐藤も、「ここに呼ばれることで落ち込んでいる場合ではないと切り替えられましたし、ポジティブにチャンスだと捉えています」と前だけを向く。

 26日には湘南との練習試合が組まれており、多くのクラブ関係者が訪れることが予想される。「どこかに拾ってほしいですね」と笑って答えた男は、「自分が選ばれるくらい、目に留まるくらいのプレーをしてアピールしたい」と手倉森ジャパン生き残りとともに、自らの未来を切り開きたいと意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)


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