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●coconalaのビジネスモデル
モノをシェアする「mercari」、スペースをシェアする「airbnb」。近年、シェアリングエコノミーという言葉が広まりつつあるが、こうした形あるものをシェアするだけではなく、無形のものをシェアするビジネスもスタートしている。ココナラは、知識・スキルに着目し、これまでにないニーズを取り込んだサービスを展開している。

ココナラが運営するのは、個人間のスキル売買サイト「coconala」。占い、心の悩み、似顔絵、画像、文章など、各分野でスキル・知識を持った人がこのプラットフォーム上で出品し、サービスを提供する。たとえば、占い師による占いサービスのほか、「ロゴデザインを引き受けます」「売れるキャッチコピーを作ります」など。利用者がサービスを買い、売買が成立すると、出品料に応じて手数料を取るのが同社のビジネスモデルだ。

2012年にスタートした同サービスは、登録ユーザー数、出品数、売上ともに増大傾向にある。登録ユーザー数は11月現在約20万人、出品数は同約5万件にのぼり、様々な分野のスキル・知識が買える。売上も右肩上がりを続け、11月の月次では約5,000万円、サービス開始3年で70倍に膨れ上がったという。8月決算で黒字化のメドもついたようだ。

coconalaが急成長できたのは、手軽に利用できることが一因。多くのサービスが、500円(税別)で提供されており、利用者にとって使いやすいものとなっているからだ。手軽さゆえに、5人に1人はコアユーザーとなり、サービスを継続利用、かつ、複数のカテゴリーでサービスを利用しているという。

コアユーザーは購入するだけではなく、出品側に回る人も多く、こうした好循環を生み出し、一人当たりの月額利用料は約6,000円に到達しているという。

1サービス500円というと、多くの出品者のモチベーションを保てなくなりそうだが、販売実績に応じて、出品者のランクがあがり、1,000円、5,000円といったように、単価をアップすることができる。今では月間65万円稼ぐ人もいるとのことだ。

●coconalaの新しさ
○coconalaのターゲット

同社のサービスは一見すると、従来からある業務の外注のようにも見えてしまう。しかし、それでは本質を見誤ることになるようだ。本質を読み解くには、同社が狙うターゲットを見定める必要がある。

coconalaのターゲットは、個人やスモールビジネスを展開する人たち。「外注は、誰にどんなものを発注したらいいのか、やるべき要件、予算などが明確に決まっているが、個人やスモールビジネスの運営者は、仮に、ホームページに掲載予定の記事の執筆を依頼したいと、coconalaを利用しても、『○○のような記事が欲しいんですけど、どうしたらよいですか』という相談になってしまう」(南章行代表)という。

この相談が手軽にできるのが、coconalaの強みだ。確かに、「500円であれば、とりあえず、専門家に助言をもらおう」という気になるだろう。"とりあえず相談したい"というニーズをうまく汲み取っているのだ。

○"相談"が生み出す戦略

この"相談"というニーズは、coconalaの今後の戦略とも強く結びつく。たとえば、占いサービスに利用においても、本質は「離婚したい、もしくは結婚したい」といった気持ちが見えてくるという。利用者の願望に一歩踏み込むことで、新たなビジネス展開ができると見込む。

"離婚"を例にあげれば、サイト内に法律相談への導線をつくることで、利用者を送客が可能だ。結婚であれば、結婚式場への導線がつくれる。送客可能な分野は、翻訳サービス、不動産売買、学習塾、結婚式場、生命保険など多岐に渡る。この導線に目を付け、同社サイト内へ楽天のような出店形式、もしくは、広告掲載などで大きく収益を上げる狙いだ。

現段階において、最も有望なのが、先ほど挙げた法律相談。法律相談に関するニーズが高い一方で、顧客獲得に苦しんでいるという弁護士との架け橋になることを目指す。来年初頭をメドに法律相談カテゴリーの運営も開始するという。

○大きな成長へ

同社は構想中の戦略を実現するために、ジャフコらが運営管理する投資事業組合、VOYAGE VENTURESより、総額5億4000万円の資金調達も完了したと24日に発表した。これまで口コミで拡大してきたcoconalaの認知度拡大のために、オンライン広告などのマーケティング投資などを本格化させるという。

目指すは、2018年8月期での売上30億、登録ユーザー数100万人、そして、同年における株式の上場だ。目下、登録ユーザー数が20万人、11月の月次売上をベースに計算しても年商は6億ほど。目標と現実には大きな隔たりがある。

しかし、裏を返せば、"相談"を軸にした無形のシェアリングサービスへの期待のあらわれにほかならない。同社が大きな成長を遂げれば、近年広まるシェアリングビジネスのなかでも、無形のサービスが大きく注目されることになるだろう。

(大澤昌弘)