写真はNHKのHPより

写真拡大

 女優の成功へのステップとして知られるNHKの「朝ドラ」ヒロイン。現在放送中の『あさが来た』は、7週目放送までで22%の高視聴率を記録している。2013年後期の『ごちそうさん』が22.3%、2014年前期の『花子とアン』が22.6%を叩きだし、まさに国民的ドラマだ。

 そんなドラマを彩る女優たちの悲喜こもごもを、11月24日発売の「女性自身」(光文社)では、「朝ドラ女優波瀾万丈」と題して、「幸せ」をつかんだ人、「波瀾万丈」な人生になってしまった人を番付形式で紹介している。

大竹しのぶ、斉藤由貴、松嶋菜々子……錚々たる顔ぶれが

 波瀾万丈の横綱は“あまロス”という社会現象まで生み出しながら、所属事務所とのトラブルから現在、ほとんどテレビから姿を消した『あまちゃん』の能年玲奈(22)。続いて、先日、自殺疑惑騒動を起こした田畑智子(34)がランクイン。

「幸せ」番付では、横綱から、大竹しのぶ(58)、田中裕子(60)、斉藤由貴(49)、松嶋菜々子(42)というそうそうたるメンツが並ぶ。彼女たちは2000年以前の朝ドラヒロインだ。

 対して「波瀾万丈」には、能年や田畑以外に、夏菜(26)、岡本綾(32)など近年のヒロインが並ぶ。かつては新人発掘の場ともいわれた朝ドラだが、実はここ最近、新人が朝ドラヒロインからブレイクという現象が起きなくなっている。

 朝ドラが女優の登竜門と言われたのは、かつての話。現在は「脇役ブレイクの宝庫」と言われ始めている。『あまちゃん』の有村架純(22)、『まれ』の清水富美加(20)、『ごちそうさん』の高畑充希(23)などだ。

 業界関係者も、

「朝ドラヒロインは、爆発的知名度を得られる変わりに、イメージの固定化が避けられない。ヒロインのイメージと自己のギャップに悩み、その後の活動に支障をきたすこともあります。だから、準主役の脇役が最もおいしいと思われている節もあります」

 ヒット女優の養成所とさえ言われた朝ドラヒロインだが、今はその扱いが変わってきている。

 そんな中、ひとり気を吐くのが『まれ』でヒロインを演じた土屋太鳳(20)だ。『まれ』自体は今までキープしてきた視聴率20%以上を久しぶりに割り、「朝ドラ人気もここまで」「ブームは終わった」などと言われてしまった作品だが、主演の土屋は、現在放送中の『下町ロケット』(TBS系)に出演。朝ドラヒロインの次の出演作が爆発的ヒットという、女優として華々しいステップを歩み始めている。

 前述の関係者によれば、

「『まれ』が社会現象にならなかったのが、逆に功を奏した。色が完全につかなかったことから、新しいドラマに出演しても前作のイメージを引っ張らなくてすみます」

 高視聴率を誇りながらも、ヒロインではなく、脇役からブレイク女優を輩出している近年の朝ドラ。しかし、朝ドラの伝統に立ち返って、土屋や現在主役を務める波留(24)が、朝ドラヒロインの座をより魅力的なものにしてくれるかもしれない。そうなれば、まさに朝ドラは盤石な国民的ドラマになるだろう。

(文/タナカアツシ)