ハリルJAPANは低視聴率なのか?

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日本代表戦といえば、テレビ局にとって「ドル箱」と呼ばれ高い視聴率が売りであった。しかし、近年は日本代表がワールドカップやアジアカップで敗退したことなどが原因で、視聴率が苦しい状態だと言われている。そこで、今回は視聴率の推移を調べてみることにした。

ハリルJAPAN

まずは、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督が就任してからの日本代表全13試合の視聴率を見てみよう。

▽ハリルJAPANの視聴率一覧
※日付 大会名 対戦相手 視聴率 (放送時間/放送局)の順

3月27日(金)キリンチャレンジ チュニジア 13.6% (19:33-21:30/TBS)
3月31日(火)JALチャレンジ ウズベキスタン 16.3% (19:20-21:24/NTV)
6月11日(木)キリンチャレンジ イラク 15.8% (18:54-21:00/EX)
6月16日(火)アジア2次予選 シンガポール 22.0% (19:30-21:37/EX)
8月2日(日)東アジア杯 北朝鮮 12.3% (19:15-21:24/CX)
8月5日(水)東アジア杯 韓国 10.7% (19:15-21:24/CX)
8月9日(日)東アジア杯 中国 14.0% (21:00-23:09/CX)
9月3日(木)アジア2次予選 カンボジア 15.9% (19:20-21:24/NTV)
9月8日(火)アジア2次予選 アフガニスタン 18.4% (21:23-23:24/TBS)
10月8日(木)アジア2次予選 シリア 16.2% (21:55-23:59/CX)
10月13日(火)親善試合 イラン 12.3% (22:25-00:29/CX)
11月12日(木)アジア2次予選 シンガポール 13.2% (20:10-22:14/CX)
11月17日(火)アジア2次予選 カンボジア 16.8% (21:10-23:14/NTV)

唯一、大台の22.0%を超えたのはシンガポール戦で、この試合は2018年のワールドカップへ向けたアジア2次予選の初戦、ハリルホジッチ監督になってから親善試合以外の初めての試合だったということもあり高い視聴率を記録したと言えるだろう。

一方で、平均は15.19%となった。これは低い値なのだろうか?そこで前任のアギーレ時代の視聴率を調べることにした。

アギーレJAPAN

前任のハビエル・アギーレが指揮したのは全部で10試合、2014年の試合はすべて親善試合だったが、2015年はアジアカップがあった。数々のドラマを生んだ同大会だけに高い視聴率が期待されたが、果たして結果はどうなっただろうか。

▽アギーレJAPANの視聴率一覧
※日付 大会名 対戦相手 視聴率 (放送時間/放送局)の順

2014年

9月5日(金)キリンチャレンジ ウルグアイ 13.6% (19:24-21:27/CX)
9月9日(火)キリンチャレンジ ベネズエラ 15.0% (19:16-21:19/EX)
10月10日(金)キリンチャレンジ ジャマイカ 15.0% (19:24-21:30/CX)
10月14日(火)親善試合 ブラジル 14.1% (19:43-21:34/TBS)
11月14日(金)キリンチャレンジ ホンジュラス 15.5% (19:34-21:39/EX)
11月18日(火)キリンチャレンジ オーストラリア 13.6% (19:19-21:24/CX)

2015年

1月12日(月)アジアカップ パレスチナ 16.0% (15:44-18:00/EX)
1月16日(金)アジアカップ イラク 14.8% (17:48-20:00/EX)
1月20日(火)アジアカップ ヨルダン 15.5% (17:44-20:00/EX)
1月23日(金)アジアカップ UAE 20.6% (18:25-21:20/EX)

平均して15.37%と若干であるがハリルホジッチ時代よりも高かった。しかし、アジアカップでも準々決勝のUAE戦に至るまで全て10%台の視聴率であった。特別ハリルホジッチになったから視聴率が落ちたということはないようだ。

こう見ると20%を超えることがいかに難しいかがわかる。高視聴率だったアルベルト・ザッケローニ時代のデータを当たってみると4年間の平均は20.76%(地上波の放映がなかったコスタリカ戦を除く)と高い。それでも、振れ幅は大きく深夜などでは視聴率一桁代の試合もあった。

年度別視聴率を見る

ハリルホジッチやアギーレといった監督が視聴率が下がった原因でないのであれば、視聴率は本当に低下しているのだろうか?最後にここ5年の年度別視聴率を見てみよう。

▽ここ5年の日本代表視聴率
※年 視聴率 備考の順

2011年 21.66%(アジアカップ)
2012年 23.2%
2013年 16.83%
2014年 20.47%(ワールドカップ)
2015年 15.55%

2015年の視聴率平均は15%でありここ5年で最低の数字であった。

額面通り受け取れば、「監督の人気云々ではなくサッカー全体の視聴率が落ちている」と言える。だが、どちらかと言うと目が肥えたというのが正しいようだ。ザッケローニ時代でも親善試合や弱い相手とのワールドカップ予選では視聴率10%台であり今とあまり変わらない数字なのだ。2011年と2015年のアジアカップの視聴率を比較してもグループリーグでは「1試合平均で計算すると、前回大会の方が2%弱高かったことになるが、大きな差はない」というデータがでている。

つまるところ、サッカーファンが望むのは強敵との緊張感ある熱い試合である。しかし、近年の日本代表は強くワールドカップに出ることは当たり前になってしまい、視聴者から見てヒリヒリするようなシーンが多くない。というのが真相だろうか。

実際、今年20%の視聴率を超えたのは奇しくもUAE戦、シンガポール戦とそれぞれ敗北・引き分けと苦戦した内容のものだった。ヨーロッパでは、実際に代表チームの親善試合レベルでは観客が集まらないことが多い。難しいことは承知であるが、日本サッカー協会には是非とも強豪国との試合をどんどん組んで欲しいところだ。