女の子たちが戦車に乗って砲弾を撃ちあうアニメ、「ガールズ&パンツァー劇場版」が、11月21日から公開されている。


戦車ってこんなにカッコイイ


とにかく戦車がはやい。しかも飛ぶ。○○しながら走る。
本来は軽戦車で5から20トンはある。豆戦車だって、3トンはある。
でも「ルパン三世 カリオストロの城」のフィアットか!ってくらい飛ぶ。

中戦車は、重さをいかして(?)ドリフト。
25トンのおしりを地面にこすって反転、相手の方を振り返って一発ドン。
「イニシャルD」もびっくりだ。

主人公の西住みほたちが乗っている四号戦車は、史実だと40km/hくらい出たらしい。
でも作中の四号は80km/hは出ている。平地以外もぐいぐい走る。
走行中の砲撃も外さない。第二次世界大戦時の戦車だよ、手動だよ。
「戦車」という言葉でできそうなことは、あらかたやっている。いや、できないこともやっている。

「本作の戦車はリアリズムを追求しているわけではなく、「もっともらしく見えること」を目標としているのだ。それはつまり、実物からその特徴的な個性だけを抽出した一種の「キャラクター」といえる」
(「ガールズアンドパンツァー劇場版」パンフレット序文より)

ファンタジーな世界戦車大集合を、リアルっぽく感じさせているのは、音だ。
2時間中1時間半くらい戦闘している映画なので、常に戦車の音がしている。
履帯の軋み、エンジン、砲撃と着弾。ずっしりした重低音であるほど、その反動を受け止める戦車の重みが出る。
あるシーンの着弾音は、スピーカーから風が吹いてくる。いや大げさでなくほんとに。
ぼくが好きなのは、四号戦車が側面をガリガリ擦りつけながら走る音。車じゃなくて「戦車っぽい」重さなのよ。戦車が実際こすった音聞いたこと無いけどさ。

パワーインフレに歯止めをかけない


TV版は、「大洗女子学園」の貧弱で数少ない戦車が、強くて沢山の戦車にジャイアントキリングしていくのがキモだった。
相手側がマウス(ドイツ戦車、約190トンの超重戦車)持ち出してきた時は、これどう倒すの状態。砲撃を当てたところでびくともしないもの。

劇場版は、パワーインフレを一切恐れず、出しきっている。
もう戦車だかなんだかわからないものまで登場する。ずるい。
舞台にあるものなら、使えるものはなんだって使う。
開発途中で挫折した兵器ネタも出てくる。

これは、女の子が絶対ケガをしないというルールが作品で徹底されているから描けること。
実際なら死んでいるであろう爆撃のオンパレード。でもケガ1つない。
内部はカーボンで守られているから大丈夫!という理屈で済んじゃう世界だから、無茶な行動をゲラゲラ笑ってもいい。

運動会の親気分


ぼくは見ていて、すっかり親気分。
だってTV版では最初、まともに走ることすら最初はできなかった子たちだよ。砲撃も散々だったんだよ。
その子たちが今回の映画では、逃げたり諦めたりすることなく、あらゆる策を練って、なにがなんでも勝とうと頑張っている。
特に1年生チーム。お父ちゃん泣けちゃうよ。

プラウダのカチューシャちゃんもいい。お子様丸出しだった彼女。いかにチームに信頼され、仲間に恵まれているのか、本人が理解していくシーンは是非見てほしい。
西住みほは、TV版最初は戦車に乗りたがらなかった。終盤でほんとうの意味で迷いを捨て、天才指揮官っぷりを発揮した。
映画ではさらに拍車がかかった。どんな窮地であろうと全く揺らがない。即座にチームへ指示を出して次々対処していく、軍神と化した。

だから、なんとしてでもTV版はチェックしてから見に行こう。
思い切りすぎる戦車のアクションは、彼女たちが育ってきた証だ。
加えて、できれば「これが本当のアンツィオ戦です!」も見ておくとベター。
例の彼女が、大活躍ですから。

ガルパンを知っている人同士で見に行くのがオススメ。
戦車の挙動を言うだけで、全部ネタバレになる。背景、音、セリフ、音楽、仕草。1カットにこめられた情報量が半端じゃなく多いので、思いをぶちまけられる相手を探しておこう。
ちなみに上映初日、Twitterで感想検索したら、ネタバレなしの感想ばかり。
ガルパンファン、実に訓練されています。

(たまごまご)