シードの3ソフトが負ける大波乱、将棋電王トーナメントベスト4が決定し明日優勝が決定

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予選を勝ち進んだ12ソフトで争う将棋電王トーナメント決勝初日は、16の対局が行なわれ、明日の準決勝に進む4ソフトが決まりました。



昨日の予選と同じ体育館の会場で行なわれたトーナメントは。持ち時間2時間の切り負け。予選の時は持ち時間がなくなると10秒の秒読みがありましたが、決勝ではないので切れ負けだけは避けるべく時間配分が重要になってきます。

まず大樹の枝 vs D将棋、習甦 vs 超やねうら王、ひまわり vs shogi686、Calamity vs nozomiの対局で始まりました。

大樹の枝 vs D将棋は、角換わりで始まった序盤は、46手目の3六桂馬で大樹の枝が有利に。そのまま差を広げていき、90手までで大樹の枝が勝利しました。

習甦 vs 超やねうら王は、昨日はちょっと不調気味だった超やねうら王が、序盤から直線的な指し手で進む有利な展開となり、習甦は残り19分弱とかなり時間を使いましたが、挽回もなくそのまま157手で差し切られてしまいました。

↑習甦 vs 超やねうら王、習甦劣勢の画面。

ひまわり vs shogi686は、ひまわりが序盤から有利に進め、129手で勝利。ほかの対局もそうですが、勝ったソフトは60分近く持ち時間を残しています。

Calamity vs nozomiの対局は、ゆっくりと時間をかけた展開で序盤はそれほど差はつかなかったのですが、中盤以降、徐々にnozomiに傾いていき勝利を収めました。この対局が一番時間がかかり、残り時間はCalamityが約9分、nozomiが約23分でした。

↑左側がニコ生用のスタジオ、右側が中継や対局用の機材。メイン会場の反対側にある。
↑昨日使った電王戦バージョンのマシンが山積みに。これだけで数百万円ぶんある。

この日の解説は、千田翔太五段でとてもコンピューター将棋を熟知しており、各ソフトの強さや指し手の傾向などを踏まえてわかりやすく解説していました。現在のコンピューター将棋のことを知りたいのなら、タイムシフトで千田五段の解説は聞いておいて損はないでしょう。

↑左が聞き手の中村桃子女流初段、右が解説の千田翔太五段。

続いて15時10分から対局は、シードとなっていた予選1位から4位のソフトが登場。ponanza vs ひまわり、大将軍 vs 大樹の枝、技巧 vs nozomi、超やねうら王 vs tanuki-となりました。

開始早々、tanuki-の野田久順さんの悲痛な叫びが会場に響きました。横歩取りの戦局からの序盤に、一気に-500の評価値を付ける手を繰り出しただめです。超やねうら王の磯崎元洋さんは、プロの定跡でこのようにハマる手筋を把握していたようで、この対局でそうなるよう仕向けていたようです。

↑超やねうら王の画面の前で頭を抱える野田久順さん(中央)。

その後、評価値はtanuki-が盛り返しましたが、超やねうら王の攻めは続き、tanuki-は入玉。しかし超やねうら王が140手までで寄せきりました。超やねうら王は残り時間がまだ1時間以上あるので、あまり時間をかけずに勝利しています。

技巧 vs nozomiも評価値の変化に一喜一憂的な展開で、「序盤の定跡部分に難がある」と話す出村洋介さんの技巧が、27手目の時点で-470点の評価値に。その後も徐々に差を広げられていきnozomiが117手までで勝ちました。残り時間は、どちらも30分台でした。

↑技巧の出村洋介さん(中央)は評価値が悪い展開に冴えない表情。

ponanza vs ひまわりは、「序盤の定跡から自分で考えている」と話す山本一成さんのponanzaが、安定した差し回して序盤を進めていき、中盤まで差はあまりありませんでしたが、徐々に差を広げていき、117手まででponanzaが勝利をつかみました。ベスト4一番乗りです。

大将軍 vs 大樹の枝は、ほかがちょっと騒がしかったぶん、ひっそりと、でも着実に大樹の枝が差を広げていき、132手までで勝利しました。

これで、ベスト4はponanza、大樹の枝、nozomi、超やねうら王となり、シードで勝ったのはponanzaのみという結果に。こうしてみてみると、予選は持ち時間15分と短かい対局に比べ、しっかり深くまで読めたぶん、真の強さが見えた展開だったと思います。プロ棋士と対局するには、1手1手ミスが許されないので、しっかり深く読めるソフトが有利でしょう。

今回解説の千田五段は、4局同時に進むので、ずっと対局を見ているわけではないのだが、棋譜の流れを見ただけでポイントとなった場所を見抜き、ほかの筋を紹介したりしていました。このあたりは、さすがプロ棋士とその凄さを感じました。

立会人の勝又清和六段は締めの言葉で「技巧 vs nozomiで人間の考えを超える指し手を見て、非常に勉強になった」と語っていましたが、プロ棋士をもうならせる指し手がここ1、2年非常に増えてきました。プロ棋士をすでに超えていると言われるのも、人間が勉強する立場になってきたからでもあります。

↑立会人の勝又清和六段が締めの言葉を。

明日は、いよいよ準決勝、決勝と5位決定戦があります。ponanzaの危なげのない強さが目立ちますが、準決勝で大樹の枝との対局でどうなるか、まず注目したいところです。

↑明日の組み合わせはこのようになっています。