日本では10月からマイナンバーの通知が始まったが、韓国では半世紀前に始まった「住民登録番号」制度で国民の情報を管理。番号にはあらゆる情報が紐付けられ、個人のプライバシーが丸裸にされている。日本でこれから起こることを考えるために、「監視国家」韓国の実情を見ていこう。

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 2017年の消費再増税を前に、日本では軽減税率導入とマイナンバーを活用した税の還付が検討された。将来的にはマイナンバーにクレジットカード(クレカ)機能を付加する案も浮上しているが、韓国では既に同様の仕組みが導入されている。13桁の住民登録番号が登録されたクレカの取引情報が国税庁に自動送信されるシステムだ。

 カード社会の韓国では、数百円の支払いでもクレカを利用することが珍しくなく、現金決済を除く国民の購買履歴はすべて税務当局に捕捉されているといってよい。いつ、どこで、何を買ったかという私的な情報がリアルタイムで当局に筒抜けなのだ。また、近年は公共交通機関のICカードと一体化したクレカも普及しているため、住民登録番号から電車やバスを利用した移動履歴を辿ることも容易になっている。

 個人情報が当局やカード会社に累々と積み上げられていくのも不気味だが、問題はこれらの情報が流出した場合だ。韓国では2014年1月、大手カード会社3社から住民番号や口座番号を含むのべ約1億400万人分の個人情報が流出する事件が発生している。

※SAPIO2015年12月号