がん保険のカタチ(4)医療保険とがん特約、どう組み合わせる?

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がんに備えるには「医療保険(主契約)にがん特約を付けるのがいいのか、それとも医療保険とがん保険を別々に契約したほうがいいのか?」というご質問を受けることがあります。結論から申し上げると、筆者の意見は「どちらでもよい」です。

主契約と特約、「安くなる」組み合わせは?


保険料を考えた場合、「主契約+特約」ほうが「主契約+主契約」(医療保険+がん保険)よりも安いのではないか、と考える人もいるようです。これは一概には言えず、安くなる場合もありますし、変わらない場合もあります。

中には、同じ「主契約+主契約」の組み合わせでも、「A社の医療保険+B社のがん保険」のような組み合わせのほうが、同じ保険会社で「主契約+特約」の組み合わせよりも、保険料が安くなるケースはあります。

「安くなる組み合わせ」を選ぶ場合の留意点


ここで、「A社の医療保険+B社のがん保険」で契約していると仮定しましょう。がんで入院した場合、A社の医療保険から入院給付金、B社のがん保険からがん入院給付金が受け取れますが、ここで、ある問題が生じることにお気づきでしょうか?

それは、保険金の請求手続きです。医療保険とがん保険で異なる保険会社に契約している場合は、それぞれの保険会社に保険金請求をする必要があります。ちなみに、契約から2年以内、かつ5日以内の入院の場合、診断書は不要で、保険金請求書と領収書のコピーで給付金請求できるケースが多いようです。

では、同じ仮定で、がんの手術を受けた場合はどうでしょうか? A社から手術給付金、B社からがん手術給付金を受け取れますが、手術給付金の請求には保険会社所定の手術給付金が(原則として)必要になります。本ケースではA社とB社のそれぞれの診断書が必要で、かつ診断書にはそれぞれ文書料がかかります。

このほかにも留意すべき点はあります。例えば、契約者が結婚した場合です。保障内容の見直しはせず、契約をそのまま生かす場合、氏名変更、住所・連絡先の変更、指定代理請求人の変更の手続きは、それぞれの保険会社に対して行わなくてはなりません。戸籍謄本などの添付書類が必要な場合も、それぞれの保険会社に提出します。医療保険とがん保険を異なる保険会社で契約した場合は、上記のような費用や手間がかかる点は覚えておく必要があるでしょう。

乗合代理店が窓口ならまとめて手続きできる


なお、医療保険とがん保険を異なる保険会社で契約する場合でも、契約の窓口が乗合代理店なら、申し込みの手続きは「いっぺんに」済ませることができます。保険料は毎月銀行口座もしくはクレジットカードで自動的に支払われるので、保険会社を分けることで保険料が安くなるのなら、家計に対する貢献は大きいと言えるかもしれません。

逆に、入院や手術はしたけれど、「A社とB社の、それぞれに手続きするのは面倒だから今回は請求しないでおこう」と考えるタイプの人なら、医療保険とがん保険を同じ会社で契約するか、医療保険+がん特約という組み合わせがいいと思われます。

医療保険+がん特約=ハイブリッド保険


最近の医療保険の中には、医療保険とがん保険がセットになったようなハイブリッドな保険もあります。「がんの保障だけでなく、病気やケガの保障も欲しい」というニーズや、「女性特有の病気(乳がんや子宮がんなどの女性特有のがん)に重きを置きつつ、その他の病気やケガの保障も欲しい」というニーズに応える商品です。保険料が比較的割安な、40歳代以下のお客様からこれらの商品について相談を受けることがしばしばあります。

最近、「保険会社に対するイメージ」「保険料」「保障内容」などを比較して、保険料が安くなるように複数の保険会社に契約する人が増えています。しかし、契約後の手続きまで気に留める人は少ないようです。保険は長く付き合っていく買い物ですから、そのあたりのことも抜かりなく検討したいところですね。

●大泉 稔(おおいずみ・みのる)
ファイナンシャルプランナー。株式会社fpANSWER代表取締役、大泉稔1級FP技能士事務所主宰。1級FP技能士、生命保険大学課程、1種証券外務員。現在、「大人のための生命保険相談室」や「FP試験対策個別指導塾」、「交通事故被害者のための相談室」を展開中
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