【がん保険】がんに備える生命保険のオプション「P免特約」とは?

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がん保険や医療保険が被保険者(=保険を掛けられている人)の生存を前提としている保険なのに対し、生命保険は被保険者の死亡を前提とする死亡保障です。その点で、がん保険や医療保険と生命保険とは、その目的がまったく逆であると言えます。

がんになった時の家計を考える


あなたが、がんなどの重い病気にかかったとします。その時、契約している生命保険の保険料の支払いはどうなるでしょうか? 病気になると、収入が減る、あるいは治療費などの支出が増えることは間違いないでしょう。その負担を、すでに契約しているがん保険や医療保険でカバーできれば問題はありません。

しかし、それではまかない切れず、治療費などが家計を圧迫するとしたら、家計を見直す必要があるでしょう。生活水準を変えることなく、家計の支出を減らすのなら、手っ取り早いのは生命保険を解約してしまうことです。生命保険は緊急性がありません。また、商品によっては解約返戻金を受け取れることもありますから、臨時収入を得ることもできます。

がんにかかってから迎える老後


しかし、闘病生活のために生命保険を解約する、というのも皮肉な感じがします。読者の中には「老後資金準備」や「子供(孫)の教育資金準備」のために生命保険を契約している人もいるでしょう。明確な目的を持ってコツコツと貯めてきた生命保険契約なので、できることなら続けたいものですよね。

特に、がんは医療技術の向上により「5年生存率」が上がっています。言い換えると、がんにかかっても回復して老後を迎える可能性が高いのです。端的に言って、がんにかかっても生命保険金を受け取る事態にならないケースもあり得るということです。

P免特約とその難点


すべての商品ではありませんが、生命保険の一部には「保険料払込み免除特約」(P免特約)というものが用意されている場合があります。これは、「悪性新生物・約款所定の脳卒中・約款所定の心筋梗塞」のいずれかに該当した場合、以後の保険料の払込みを免除されたうえ、生命保険の契約を継続することができるもの。もちろん、解約返戻金もお約束通りに貯まっていきます。つまり、P免特約付きの生命保険なら、悪性新生物(がん)にかかっても、生命保険を解約するという選択肢は避けられそうです。

しかしながら、老後や進学の資金準備を目的とした生命保険契約の場合、P免特約を付ける人は少ない、という話を聞いたことがあります。なぜでしょうか? P免特約を付けると、そのぶん保険料が高くなります。そして、解約返戻金の額はP免特約の有無にかかわらず同じです。従って、P免特約を付けて保険料が上がると、解約返戻率(戻り率)が下がるのです。これがP免特約を付ける人が少ない理由です。

なお、生命保険のP免特約は、学資保険や収入保障保険(家計保障保険)などには自動的に付帯する場合もあるようです。また、数こそ多くありませんが、個人年金保険にP免特約を付帯できる商品もあります。この機会に、ぜひ確認してみてください。

●大泉 稔(おおいずみ・みのる)
ファイナンシャルプランナー。株式会社fpANSWER代表取締役、大泉稔1級FP技能士事務所主宰。1級FP技能士、生命保険大学課程、1種証券外務員。現在、「大人のための生命保険相談室」や「FP試験対策個別指導塾」、「交通事故被害者のための相談室」を展開中
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