Q:眼科で診察を受けたところ、右目が初期の緑内障と診断されました。眼圧は正常範囲の上限です。緑内障は進行すると失明する恐れもあるそうで、何か対策があるでしょうか。(56歳・公益財団理事)

 A:緑内障は、視神経に障害が生じ、視野が欠け、視力が低下する病気です。以前は、眼圧が高ければ緑内障と診断されました。ところが現在では、眼圧が高くない人にも緑内障が発症する場合があることが分かってきました。それが正常眼圧緑内障です。
 緑内障は高血圧と共通性があります。高血圧はよくないといわれますが、実は悪いと言い切ることはできません。たとえば、ロデオに出場する選手は、暴れる馬や牛と闘うため血圧が230ミリにも上昇します。血圧が上がるから全力で闘えるのですが、普通は脳の血管は切れないものです。
 血圧が高いだけでは、脳出血で倒れはしません。血管が切れて出血するのは、体のシステムの問題で、血管に狭窄が起こったり、血管の柔軟性が失われたりするからです。

●体調を整えることが大事
 眼圧も同様です。正常範囲でも緑内障を発症するケースがある一方、眼圧が29ミリという異常に高い数値なのに、目がよく見えるという患者さんが実際にいました。
 緑内障もシステムの問題ですから、ただ点眼薬で眼圧を下げても意味はありません。どうすればいいかというと、眼底の血流をよくするとともに、神経系を保護することが求められます。
 視神経の保護は難しいのですが、血流を改善することはできます。毎日よく歩くようにすると、目はもちろん、全身の血流が促進されます。加えて、ストレスをためないようにし、十分に睡眠をとり、体調の維持に努めましょう。
 漢方薬では、活血薬といわれるものが血流を促進する作用があります。代表的なものに、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)や釣藤散(チョウトウサン)があります。
 水分の代謝を促進して眼圧を下げる漢方薬に、五淋散、竜胆瀉甘湯(リュウタンシャカントウ)、猪苓湯(チョレイトウ)などがあります。

岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病等に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。