骨粗鬆症患者は予備軍まで含め2000万人超 Bignai/PIXTA(ピクスタ)

写真拡大

 先頃、自身のブログでブルガリのジュエリーとオートクチュールのウエディングドレスに身を包んだ写真を披露し、喜びいっぱいの結婚報告をした女優の観月ありささん(38歳)。ドレスからすらりと伸びた美脚と変わらぬスタイルには、感嘆の声が上がった。ところが今年8月、観月さんは足を疲労骨折。毎日のジョギングが原因ではないかとのこと。

 また、女優の栗山千明さん(30歳)は今年8月、雨に濡れた道路で足を滑らせ転倒し右脚の脛を複雑骨折。全治2カ月の大ケガを負った。「脛の骨を複雑骨折するなんて骨粗鬆症じゃないの」などとアンチファンは陰口を叩くが、真偽のほどは不明だ。

 さまざまな要因がからみあい、最近では高齢者ばかりでなく、子どもや若者の骨折リスクは無視できない件数となっている。たとえば、独立行政法人日本スポーツ振興センターのデータによると、子どもの骨折発生率は、2011年度には40年前の約2.5倍、20年前の約1.5倍に増えている。

女性に骨粗鬆症が多いワケは?

 日本骨粗鬆症学会によると、今から約10年前の2005年度の時点で、骨が劣化して腰痛や骨折を引き起こす「骨粗鬆症」患者が、総人口の約1割、約1280万人を超え、うち約980万人が女性だということが明かになった。しかも、40代女性の4人に1人という。現在では予備軍まで含めると患者数は2000万人超に及ぶとも言われている(発生患者数を割り出す疫学調査は長期間にわたりエリア別に人口割から導き出すきめ細かな作業による)。

 なぜ、女性に骨粗鬆症が多いのか。カギを握るのは女性ホルモンだ。更年期にさしかかる40〜50代にかけて女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が減ってくる。エストロゲンは骨にカルシウムを蓄えて骨形成を促進する一方、骨からカルシウムが溶け出す「骨吸収」を抑制する大事な働きをしている。

 閉経と同時に急激にエストロゲンの分泌量が減り始めれば、当然、骨に与えるダメージは大きく強度や骨量(骨密度)も劣化してくる。さらに、骨が弱くなると骨折も増える。

骨量が目減りしてくる40代から検査を

 骨粗鬆症予防の啓蒙活動に取り組んでいる東京女子医科大の加藤義治主任教授によると「40歳になると徐々に骨量が減り始める。40歳を目安に、自分の骨の状態をチェックすべく骨粗鬆症の検査を」と検査の重要性を強調する。

 若い女性でも喫煙や飲酒の生活習慣がある人は早めの検査がお勧め。たばこは胃腸でのカルシウムの吸収を阻害して、女性ホルモンの分泌を抑える作用がある。そのため、禁煙者は骨量不足になりやすい。飲酒も胃腸でのカルシウムが吸収されにくくなる。そればかりかアルコールの利尿作用で、骨の主成分であるカルシウムが尿とともに排泄されてしまう。

 喫煙やお酒好きの女性は「転ばぬ先の杖」で早めに検査したほうがよさそう。

骨密度検査法はさまざま、「骨折リスク評価ツール」で自己チェックも

 骨密度検査方法は、以下の4つが主な検査法だ。

…恐伺繁 Пβの踵を測定器に乗せて、20秒たらずで簡単に測定できる。

X線検査:主に背骨の樟撮影で骨の状態、骨折状態を調べる。

DXA(デキサ)法:2種類のX線を背骨や太腿の骨、手首の骨などにあて、ほぼ全身の骨量を測ることで正確に測定できる。

す代謝マーカー:血液検査や尿検査で骨が形成や溶け出したりする「骨代謝」のバランスを調べて骨の健康状態をみる。

 骨密度の算出法は、骨密度=骨量÷面積(単位g/㎠)。骨量は20〜44歳の若年成人の平均値(YAM)と比較して診断される。YAM値が80%以上が正常値、70〜80%で骨量の減少、70%未満が骨粗鬆症と診断される。

 1回の骨量測定で正常値以内だとしても安心はできない。骨量の減るスピードはまったなしだから、定期的に検査をしよう。簡単な超音波法なら街の整形外科ですぐに検査してもらえる。

 忙しくて病院に行けないという人には2008年にWHO(世界保健機関)が公表した骨折リスク評価ツール「FRAX(フラックス)」*が役立つ。ウェブ上で骨折歴など必要事項を入力すれば、今後10年間に生じる骨粗鬆症の骨折確率(%)が算出できるというスグレモノだ。ぜひ試してみたい。
*https://www.shef.ac.uk/FRAX/index.aspx?lang=jp
(文=編集部)