専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第30回

 ゴルフ人口の減少問題は以前も取り上げましたが、今回は前向きなお話をひとつ。何かゴルフを始めるきっかけを作らないといけない、そんな提案をしてみたいと思います。

 サーフィンや登山、あるいはサイクリングなどは、「彼氏がやっているから〜」と、男性の影響を受けて始める女性が結構いました。ゴルフも、そういう"彼氏型のスポーツ"と言えます。

 ところが、最近は彼氏のほうがゴルフをしないから、困ったちゃんです。

 原因は、複合的に挙げたらキリがないです。料金が高い。道具も高い。ゴルフ場が遠い。朝が早い。丸一日潰れる。そもそも周りの友だちがやってない。オヤジ臭い。技術を身につけるのが大変。単にクラブを持って、コースを走っているだけ......など、マイナス要因はいくらでも出てきます。

 金銭面は、工夫すれば何とかなります。ゴルフはやってみると結構面白いですから、問題はやはり、ゴルフをやるきっかけ作りですね。

 かつて、タイガー・ウッズの神がかり的な強さに圧倒されて、とりあえずナイキのポロシャツを買っておけ、みたいな風潮がありました。でも今は、選手が小粒になって、ブームと言えるほどの"波"はなかなか起こりません。せいぜい可愛い女子プロ選手を見て、身近なお姉さん的な存在として、崇め奉るぐらいですか。

 漫画や映画などのメディアも、ゴルフの有名作品はあまりないですね。それでも、広告塔となる芸能人はゴルフをやっていて、昔はそれに影響された人も多かったようです。実は私も、それで「ゴルフをやってみよう」と始めたクチですが、今は芸能人がゴルフをやっていても、「あの人たちは別世界の人だから、我々とは違う」という感覚で受け取られてしまうみたいですね。

 そんな状況で、いかにゴルフを始めるきっかけを作るか。

 ヒントは、映画『Shall we ダンス?』ですね。役所広司演じる中年の会社員が、帰宅中の電車の窓から、ダンススクールの窓際にたたずむ美女を発見。それに釣られて、ダンススクールに入会してしまう設定でした。

 そこで、ゴルフスクールの入口で美人受講生たちが待ち合わせなどしていたらどうでしょう。彼女たちを目当てに入会する人がいるのではないでしょうか。半分冗談ですが、半分マジです。

 というのも、最近のゴルフレッスンは、スクール派がほとんどだからです。昔は会社の上司や先輩などが、練習場につれて行って教えることが多かったのですが、そうした"伝統"も今やゴルフ人口の減少で壊滅状態にあります。先生役となる上司や先輩も、もはや自分のことで手一杯で、人に教える余裕なんてありません。

 そもそも最近の練習場では、個人的なレッスン行為を禁止しているところが多いので、教えられないのです。だから、ゴルフを教える"伝統"が壊滅してしまった、とも言えます。

 周囲に誰も教えてくれる人がいないなら、当然ゴルフ人口が減ります。

 とすれば、ゴルフスクールの美人受講者に釣られるのも、アリでしょう。同様に「スクールの美人講師に惹かれて」とか、「女子プロツアーの試合を観に行って、イ・ボミ選手の笑顔にメロメロになって」とか、それでゴルフをやろうと思うのもいいんじゃないですか。

 きっかけは、何でもいいんです。ゴルフをやっていない方に、まずははじめの一歩を踏み出してほしいんです。

 近頃、私はスマホで戦争ゲームをやって楽しんでいます。そこでは、100人ぐらいの見知らぬ人たちが、チームを組んで他のチームと戦っています。ハンドルネームだけの関係ながら、"親友"みたいな人がバンバンできて、今やまさに"戦友"ですよ。

 最近の若い人たちは、そういうのが得意でしょ。インターネットを駆使して、ゴルフ仲間を増やしていくっていうのもいいですよね。例えばそれが、最初はゲーム仲間だったとしても、「じゃあ、実際にゴルフをやってみようか」なんてことになるかもしれません。

 そして、仕事が少し早く終わった日などに、近くのゴルフレンジにふらりと訪れ、軽くレッスンを受けてみる――これですよ! たとえ、そこに美人な生徒がいなくても、きっとゴルフ場に美人キャディが待っているはずですから。

 そうやって、これからゴルフを始めようという方には、何事もポジティブに捉え、自分に都合よく解釈して、前に進んでほしいです。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa