安定したクオリティでファンの間から「ゴールデンタイムで放映すればいいのに」という声が相次ぐ『ルパン三世』。第7話はお騒がせ令嬢のレベッカとMI:6のエージェント・ニクス、そしてルパン三世の三者が絡み合う「ザッピング・オペレーション」。


MI:6の最強エージェント、ニクスにはこよなく愛する家族がいた。もちろん任務は家族にも極秘。家庭では思春期の娘たちに手を焼く平凡なパパだ。

そんなニクスの次女・ブリジットが売春組織に誘拐されてしまう。縛り上げられ、車のトランクに詰め込まれるブリジット。ところが、その車を銭形警部に追われていたルパンが盗んでしまった。

自分の娘が誘拐されたことを知り、娘を乗せた車を追うニクス。レベッカはレベッカで、自分の変装道具を入れたポーチを持っていってしまったブリジットを追う。そして、トランクの中のブリジットに気づいたルパンは、ブリジットをニクスに返そうとするが、それをレベッカが横取りして……。

一触即発のルパンとニクスだが、今回はギリギリで回避。シリアスなようでいて、実は能天気なツインテール娘、ブリジットをめぐるドタバタコメディーだったというオチ。

ところがラストで、ブリジットを誘拐しようとした売春組織のスカウトマンが言った「イタリアの夢」という言葉に、ルパン、ニクス、レベッカがそれぞれ反応する。コメディーのようでいて、実は今後の展開への大きな伏線そのものだったという第7話であった。

「イタリアの夢」の鍵を握る謎の日本人“浦賀”


「イタリアの夢」という言葉は、すでに第3話で登場済み。ニクスと上司が「例の件」と呼んでいるのが「イタリアの夢」である。ニクスはルパン三世を追うためではなく、この件を解決するためにイタリアにやって来ているのだ。

スカウトマンが「イタリアの夢」へ連れていってやると言ったことから売春組織を指すようにも思われるが、売春組織そのものは怒ったニクスによって一瞬で壊滅状態になっている。スカウトマンがブリジットに「とびっきりハイになれるぜ」と言ったことから、麻薬に関連する言葉なのではないかとも推測されるが、はたして真相はいかに。

一方、レベッカは「イタリアの夢」という言葉が、かつて安アパートの一室で謎の男から聞いた言葉と同じだということを思い出す。

「俺と夢をかなえよう」「何の?」「イタリアの夢だよ」

最後にニクスが見つめている写真には、先ほどシルエットだった男の顔がはっきりと写っている。メガネをかけた優男は、エンドクレジットでは「浦賀」と表記されていた。どうやら日本人らしい。

写真で男の横にいる制服姿の少女は、似ても似つかないが過去のレベッカの姿だろう(回想シーンに登場する少女とシルエットが同じ)。「変装道具」という言葉も登場したが、現在のレベッカの姿は何らかの変装なのだろうか?

「もし奴らがこれ以上知りすぎた場合は、痕跡を残さず速やかに始末しろ」と命令するニクス上司(セブン上司みたいだ)。モニターでレベッカを監視しており、どうやらレベッカと「イタリアの夢」の因縁をマークしているようだ。

われらがルパン三世はというと、ほとんど動物的な勘で「イタリアの夢」に何か秘密があると察知した様子。今シリーズ、これまでほとんど自発的なアクションを起こしていないルパンだが、はたして今後どんな活躍を見せてくれるのだろうか? なお、五ェ門は今回も登場しなかった。

7話の脚本を担当したのは、シリーズ構成を務める高橋悠也(代表作に『TIGER&BUNNY』など)。伏線回ゆえの登板だろう。高橋はインタビューで今シリーズのテーマを「愛と芸術」だと語っている。

「1クール目は“愛”、2クール目は“芸術”とコンセプトを変え、1クールごとのパッケージ感を出しています」(『ルパン三世ぴあ』より)

「イタリアが愛の国ならば、すべての愛は俺の手中にある」とは、おなじみとなったオープニングのルパンのセリフだが、どうやら折り返し点を過ぎた1クール目は、レベッカと謎の日本人・浦賀との間にある“愛”が鍵を握っているようだ。

さて、今夜放送の第8話「ホーンテッドホテルへようこそ」は、フィレンツェの古城を舞台にしたホラー風味のエピソード。予告を見る限り、TV第2シリーズのような素っ頓狂なアクション編の様子。チャンネルは決まったぜ。
(大山くまお)