日本戦のチケットはカテゴリー1で約10ドル(約1200円)

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カンボジア戦では、大小のトラブルが待っていた。スケジュールはギリギリにならないとわからない。記者室やインターネット回線も当日にならないと用意されず、ついにメンバー表は入手できなかった。

試合後、選手に記者がコメントを聞くミックスゾーンは工事用のテープが一本貼られているだけ。しかも場所が短く、選手数人が立ち止まるともう聞く場所が無くなる。しかもその場所を仕切っているのは日本サッカー協会のスタッフで、どこの国が主催なのかわからない様子だった。

選手たちの家族もトラブルに巻き込まれた。日本選手の家族や関係者用に用意されるチケットは通常ならカテゴリー1のVIP席に近いところのはず。はずなのだが、事前に渡されたチケットはなぜかバックスタンドのカテゴリー2だったという。

カンボジアサッカー協会が慌てて用意し直したというが、満席と予定されていたスタジアムの中のいい席をどうやって手配したのだろうか。もしかしたら、急きょカテゴリー2に移動させられた人たちがいたのかもしれない。

それでも関係者はカンボジアサッカー協会に好意的だった。「精一杯のことを必死でやってくれている感じがする」と前述の関係者はいう。そのために、多少のミスや齟齬があっても目をつぶっているらしい。

確かにカンボジアには親日ムードもあった。試合前日、非公開のはずの公式練習に、多くのファンが訪れた。日本人ばかりではない。日本語以外の言葉を話している人たちのほうが多い。そして時には拍手をしながら日本代表の練習を見続けていたのだ。

試合後も健闘した自国チームを讃えつつ、勝った日本を賞賛する人々がスタジアムを埋めていた。ギスギスした中での勝負も緊張感があっていいものだが、日本に対する敬意を持って溌剌とプレーするカンボジアと対戦するのも、いつもとは違う楽しさに溢れていた。

【日本蹴球合同会社/森雅史】