【リアル育児相談】その30:寝返り防止クッションは使ったほうがいい?

写真拡大

今回は、生後2か月の赤ちゃんを持つお母さんからの相談です。新生児の頃はただ上を向いて寝ているだけだったのに、この頃になると、少しずつ動く範囲が広がってきます。ちまたでは、子育てグッズがいろいろと販売されており、そのひとつに「寝返り防止クッション」があります。寝返りをうつ時期に備えて、これを使ったほうがいいのか、という質問です。

寝返りすることに潜む危険性とは?


最初のうちは、赤ちゃんもまだ上手に寝返りをうつことができません。一方向にしか寝返りできなかったり、一度寝返りすると元に戻れなかったりします。このため、寝返りした時に、たまたま周りに柔らかい布団やクッションがあると、顔が埋まって窒息する可能性があります。

また、大人と一緒のベッドで寝ている場合は、思いもよらない方向に転がってしまい、落下する可能性もあります。床で寝ている場合も、家具の角や割れ物などにぶつかってケガをすることも考えられます。寝返りひとつできるようになるだけで、赤ちゃんには急に危険が増えるのです。

赤ちゃんの周囲の環境整備を!


では、これらの危険を回避するためにはどうしたらよいでしょう? まずは、赤ちゃんの周りの環境を整えることから始めましょう。赤ちゃんが寝ている敷き布団やベッドは、固めのものを使用していますか? 顔が埋まってしまうような素材は避けましょう。クッションやぬいぐるみなども近くには置かないほうが安心です。

大人と一緒のベッドで寝ている場合も、片方の端は壁につける、パパとママの間で寝かせる、高さが一緒ならベビーベッドをくっつけるなどの工夫が必要です。赤ちゃんが落下するような隙間を作らないようにしましょう。

床で寝ている場合は、床には極力ものを置かず、赤ちゃんが動きやすいようにします。動いて家具にぶつかっても痛くないように、緩衝材などの赤ちゃん用グッズを使ってもいいですね。

寝返り防止をすべき?


では、寝返り防止クッションはどうでしょうか? これは、赤ちゃんが不用意に寝返りをうって事故を起こさないよう、頭を両サイドから挟み込むものです。確かに、これによってある程度は危険を回避できるでしょう。

しかし、寝返りをうてなくしてしまうことには、デメリットもあります。赤ちゃんにとって、寝返りは筋肉や神経伝達組織の発達に必要なことです。クッションを1日中使用することは、健やかな成長を妨げる可能性もあるのです。

また、ごく少数ですが、寝返り防止クッション使用中に赤ちゃんが寝返りしてしまうことも例も報告されています。米国で、寝返り防止クッションの上やクッションとベッドの間で赤ちゃんが窒息する事故が起こったことを受け、日本でも2010年に、消費者庁から通達が出されています。赤ちゃんの安全を第一に考え、上手に利用したいですね。

寝返りの練習はさせたほうがいい?


最後に、「寝返りが左右うまくいくように練習をさせたほうがいいのか?」という質問についてお答えします。基本的には見守る姿勢で大丈夫ですが、赤ちゃんが寝返りをうつきっかけ作りをしてもいいかと思います。具体的には、寝返りしそうな時に脚を少し交差させる、赤ちゃんと目線を合わせて反対の方向から声をかける、好きなおもちゃで誘うなど、遊びをするように楽しくかかわりながら、練習するといいでしょう。

<参考>
●消費者庁「乳児用の寝返り防止用枕の使用に当たっての注意」(PDFファイルへの直リンク)
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/101014adjustments_2.pdf

執筆:座波 朝香(助産師)