いよいよ第3回将棋電王トーナメント開幕、30種ものソフトが激突し来年の第1期将棋電王戦出場を目指す

写真拡大

11月21日から開催される「第3回将棋電王トーナメント」に、参戦する30の将棋ソフトが発表されました。昨年より5つ増えていますが、ディフェンディング・チャンピオンの「AWAKE」は残念ながら参戦しません。お馴染みの煽り系PVも公開され、テンションも上がってまいりました。果たしてどのソフトが優勝するのか、すべての戦いがニコ生で中継されます。

優勝賞金が300万円、5位入賞が30万円というこの大会も、今回で3回目。初代電王は山本一成さん/下山晃さんが開発した「ponanza」。第3回将棋電王戦では屋敷伸之九段と対局し、終始優勢で勝利を収めています。第2回は巨瀬亮一さんが開発した「AWAKE」で、将棋電王戦FINALでは、阿久津主税八段が「ハメ手」を繰り出したことで、わずか21手で投了してしまいました。巨瀬さんは元奨励会員であったこともあり、AWAKEの既知の弱点を突いた戦い方に異を唱えた形でした。

将棋電王戦FINAL第5局投了後の様子

そして、3回目の今年。将棋電王戦の対戦方法が変わったことで、従来なら5位までに入れば棋士との対局が実現できましたが、今回からは優勝したソフトのみ。賞金は手に入りますが、棋士との対局の夢は狭められてしまいました。

毎年5月に行なわれているコンピューター将棋協会主催の「世界コンピュータ将棋選手権」と違い、統一スペックのマシン(ドスパラの「GALLERIA電王戦」)を使った対戦のため、マシン性能に左右されることなく、真のソフトウェア勝負となります。

先日発表された参戦予定のソフトは以下のとおりです。

■参加予定ソフト(五十音順・開発者敬称略)
ETCShogi81(高橋直裕)
おから2015(渡辺敬介)
カツ丼将棋(松本浩志)
Calamity [カラミティ](川端一之)
GA将!!!!!!!!! [がしょう](森岡祐一)
きふわらべ(高橋智史)
QinoaSyougi [きのあしょうぎ](山田元気)
技巧(出村洋介)
こまあそび(永吉宏之)
CGP(大熊三晴)
芝浦将棋Jr.(大串明/原悠一/和田悠介/古根村光/桐井杏樹/五十嵐治一)
SilverBullet [シルバーバレット](手塚規雄)
習甦 [しゅうそ](竹内章)
shogi686(額賀大輔)
Scherzo [スケルツォ](氏家一朗)
Selene [セレネ](西海枝昌彦/椎名沙季/七井裕太)
大将軍(横内健一)
大樹の枝 [だいじゅのえだ](平岡拓也/杉田歩/山本修平/白岩大地)
tanuki-(野田久順)
大合神クジラちゃん 電王戦Ver(鈴木雅博/近藤直希)
超やねうら王 [ちょうやねうらおう](磯崎元洋/岩本慎/山口知洋)
D将棋(古居敬大)
ねこ将棋(新井秀和)
nozomi(大森悠平)
Novice [ノービス](熊谷啓孝)
ひまわり(山本一将/永塚拓/高木厚成)
ponanza [ポナンザ](山本一成/下山晃)
名人コブラ(松山洋章/高橋依里)
メカ女子将棋(竹部さゆり/渡辺弥生/酒井美由紀/辻理絵子/木村健)
Labyrinthus+ [ラビュリントス プラス](細羽英貴)

大御所の「激指」(激指チーム)や「YSS」(山下宏さん)、「GPS将棋」(Team GPS)、最近は世界コンピュータ選手権で上位に入っている「NineDayFever」(金澤裕治さん)、昨年の優勝者「AWAKE」(巨瀬亮一さん)などは残念ながら参戦していません。

将棋電王戦FINALに出場した「Apery」は「大樹の枝」(平岡拓也さん/杉田歩さん/山本修平さん/白岩大地さん)に名称を改め、「やねうら王」は「超やねうら王」(磯崎元洋さん/岩本慎さん/山口知洋さん)とサイヤ人のように進化した名称で登録されました。

右から平岡拓也さん、西海枝昌彦さん​、左は山口恵梨子女流初段

磯崎元洋さん
また「Ponanza」(山本一成さん/下山晃さん)や「Selene」(西海枝昌彦さん/椎名沙季さん/七井裕太さん)、将棋電王戦ではお馴染みの「習甦」(竹内章さん)もエントリーされ、今年の世界コンピュータ将棋選手権の結果から見ても、これらの5本のソフトは上位進出するものと思われます。

山本一成さん(左)と下山晃さん

竹内章さん

山本一成さんや磯崎元洋さん、平岡拓也さんのツイッターを見てみても、大会直前まで開発している模様。開発中のソフトが強くなったか判断するには、改良する前のソフトと数千回対戦させて、どのくらい勝てるかで判断しますが、それだけでかなり時間がかかります。
機械学習作業にもかなり時間がかかり、その結果がよければいいのですが、ダメなら1からやり直しという、結果が得られるまで時間がかかるのが、最近の将棋ソフトの開発パターンになっています。開発するためのマシンのほうがハイスペックなものを要求したりすることもあるようです。

山本一成さんが、某編集部にある100万円以上つぎ込んだ個人所有の自作マシンを利用して作業しているのも、機械学習作業の時間短縮と作業中に開発できなくなることを防ぐアウトソーシング的な意味合いがあります。先日も黙々となにやら自動作業をしていたようです。
「電王」の称号をかけての戦いは、3日間かけて行なわれ、23日夜には優勝者が決まります。現地での観戦はないので、ニコ生の中継にて観戦してください。コンピュータ同士のハイレベルな戦いは、電王戦と違って無機質な戦いですが、開発者たちの一喜一憂が見られると思いますので、ぜひご覧ください。なお、戦いの模様はここで記事化していきます。