突然死はなぜ起こる? もっとも多いのは「虚血性心疾患」

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健康そうに見えた人が突然亡くなってしまう突然死。医学的には「症状が出現してから24時間以内の予期しない内因性死亡(交通事故などの外傷によるものは含まない)」と定義しており、「急死」ともいいます。日本では、どのような症状で亡くなるケースが多いのでしょうか。

もっとも多いのは「心臓突然死」


日本では、突然死で亡くなる人が、年間約10万人います。発生時間帯で多いのは、就寝中、入浴中、歩行中や電車などに乗車中、自宅で休憩しているときなどの安静時、または排便中です。突然死のなかでも、症状が起きてから1時間以内と短時間で亡くなってしまう場合を「瞬間死」といいます。

突然死で多いのは「心臓突然死」で、年間約5万人。その中でもっとも多い疾患が「虚血性心疾患」です。虚血とは、文字通り心筋に血液が乏しくなることであり、心臓に栄養と酸素を送る「冠(状)動脈」の動脈硬化性変化による狭窄や閉塞で起こります。代表的な病気としては、狭心症、心筋梗塞です。

症状を発した後30分〜1時間で致死的な不整脈である心室細動が起こります。心室細動では、心筋が協調した動きを失って心臓はポンプとしての機能を失います。結果として全身の臓器、脳に血液が供給されなくなり、死に至ります。

どんな症状を発するのか?


胸痛、胸が苦しい感じ、肩・背中の痛み、嘔気・嘔吐、人によっては下あご痛、歯痛などが起こる場合もあります。これらは、心臓の動きが悪くなっているなかでそれを食い止めようと自律神経の交感神経が作動するためです。

発症から数分と短時間で亡くなる場合は、突然意識を消失し、全く反応がない状態となります。人によっては、終末呼吸としていびきや悲鳴のようなうめきを2.3回あげて反応がなくなります。布団のなかで長い間いびきのような音を立てて意識を失っている状態の場合は、心臓ではなく脳出血(脳溢血)です。

予防はできるのか?


虚血性心疾患の要因としては、以下が挙げられます。

・高血圧
・糖尿病
・高脂血症

またこれらに、喫煙、肥満、不規則な食事、運動不足、情動ストレス(単なる感情ではなく、喜怒哀楽によって顔色が変わったり、脈拍が変化するなどの生理現象をともなう)などの習慣が加わると、よりリスクが高まります。

健康診断や人間ドックで上記のうち何らかの指摘を受けた、という人は、少しでも何らかの自覚症状が出たときには速やかに医療機関を受診することが大切です。しかし潜在的疾患の発見・予防は極めて難しいケースが多いのが実情です。

監修:坂本 忍(医学博士、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)